助六谷での最大の遺跡、鰔川を渡る作業軌道の木橋。鰔川線から別れた作業軌道が、対岸に渡ってΩ字を描いて山を登っていく。橋の上はレールも残っていて板も張ってあり、たま通る人もいるのだろうか、渡り終わると。すぐに薮に覆われてしまい通れなくなる。この先の山の谷間に、幻の三段ヒノキ製ティンバートレイスルが、在るらしいと聞いている。

 助六作業所跡。この建物は、宿泊棟である。他に四棟ほどあって、その中の一つが車両の整備場もある。どの建物も、30年まえのまま道具や雑誌、生活品が残っているため、妙になまなましく思える。しかしながら、薮もひどくなっており、全容を把握するには至らない。

 助六作業所跡からさらに奥へ、作業軌道が延びている。裏手の鉄橋のあたりから、軌道上は、レールが撤去されずに残ったままになっている。鉄橋を渡ってから、左にまがって一方の軌道は左の山裾に消えていく、もう一方の軌道は、分岐してからバックするように、右の山裾を登っていく。

 この作業軌道、地形せいかいたるところで崖がくずれている。そこをおっかなびっくりと進むが、ほとんど人が入っていないため、薮がひどく行く手をはばむ。そのうち、崩落した橋も現われて軌道上を進めなくなった。

 助六作業所跡裏の奥にある、魚止めの滝。恐ろしく奇麗な滝の水を見た気がする。試しに、竿をたらしてみたら、15センチほどのイワナがすぐにかかってきた。釣人もさすがにこの辺まで遠征するのは、少ないようで、入れ食い?と思えるようだ。うわさだと、この近くに幻の大物がいる淵があるとかで、一尺以上のイワナが入れ食いだとか。軌道は、この左上の方を通っていて、この先で川を渡っているようだが、軌道上は薮がひどく、滝もザイルなしでは危険なので、確認できていない。


 
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