長野県と岐阜県との県境にある木曽の山々。山ばかりで、観光名所も地味なところであるが、それゆえに欲化されておらず、標準的ふるさと日本の風景がひろがる。これらの自然の恵みと根っからのアウトドア指向などから訪ねて見ると、40年以上も前に廃止になった森林鉄道の遺跡が随所に残っていることを、この地でイワナ釣りに訪れていた釣り人から聞き、こっそりと山に入り、幻の滝やゴミひとつない清流の話にすっかり好奇心をくすぐられ、以来4年、何度となく探検に訪れたのである。2011年現在、訪問時期はすべて10年以上昔の話で現在はどうなっているのやらである。
 
 

 木曽森林鉄道は、木曽ヒノキを始めとした木曽山々の豊富な木材を輸送する手段として、JR中央線上松駅から木曽川の支流の王滝川流域に沿って、今は三浦貯水池のある旧三浦郷の奥まで続いていた。王滝本線を中核に数多くの支線を奥へ奥へと延ばしており、総延長は100H以上にも及んでいたが、トラック輸送化や森林資源の激減などから、昭和40年前半に廃止となった。
 廃止から40年以上たった現在では、基本的になんの遺跡も残っていないのが普通だが、王滝本線の山腹区間や地震の土石流に跡形もない濁川線、観光開発、道路拡張化された開田線以外は、渓流釣りのアプローチ道として利用されていたため、なまなましくその姿を表わしている。
 今回は、そのなかで最も訪問が困難である、鰔川線の姿の一部を最深部の助六谷までフォトレポートし、連載として更新時に他の軌道の様子を展開してゆきたい。
 
 
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