9月24日。今日は久々に芝のグラウンドでの練習試合である。前日の試合(JYリー
グ)では、武田。浅井という主力を抜きにしての7−0という快勝を演じたキッカー
ズ若手チーム。4−5−1という偉大なる宝物を得て、向かうところ敵なしという快
進撃だ。それをうけての練習試合。「今日も爆勝だぜぇ」と気合を入れていたとこ
ろ、前日、突然の方向音痴に襲われ、グラウンドはおろか自分の部屋からトイレに行
くまで3時間かかったと頭をかく浅井氏が「コラムでオレを主人公にしてください
よぉ。ひどいっすよぉ」とからんできた。“売られた喧嘩は安く買って高値で売りさ
ばく”と恐れられているオカモトに挑戦状を叩きつけるとは身のほど知らずもいいと
こ。“受けてたとうじゃないか!”ということで、今回のコラムは浅井氏が大活躍し
ちゃうのだぁ!!
ハードボイルド風に仕上げるか、2枚目のジゴロで落とし込むか……、色々と考え
たが、フィクションの物語では浅井氏も読者も納得しないだろう。ということで、こ
の間、浅井氏から聞いた帰郷したときの話をドキュメンタリーでお届けすることにし
よう。川口浩も真っ青の大冒険の始まりだ〜い!!
タイトル
第1回ドキュメンタリー「浅井、故郷に錦を飾る」
2001年・夏。成田空港
浅井裕治はロビーの喫煙コーナーでタバコを吹かしていた。発着口は世界各国の旅
行客で溢れ、日本の玄関口としての機能を存分に発揮している。その旅行客を気にし
ながらも、浅井はボストンバッグから虎の皮で編み込まれた古めかしい民族衣装を取
出した。
「3年ぶりか」
思わず言葉にしてから、“最近独り言が増えたな”と苦笑した。
30分後、浅井は生まれ故郷コンゴ民主共和国へと旅立った。
コンゴ民主共和国
旧国名ザイール。アフリカ最大の鉱物資源国で、ダイヤモンドはオーストラリアに
ついで世界2位というアフリカにおいては恵まれた環境にある。しかし、国民の生活
基盤は自給自足が主。大統領が暗殺されるなど、社会情勢・治安などはまだまだ発展
途上だ。
浅井はコンゴ空港のロビーにいた。飛行機のなかで着替えたのか虎皮の衣装に身を
つつまれている。日本人離れした浅黒い肌はアフリカの太陽によくマッチしていた。
「ここも変わったな」
また無意識的に独り言がでた。
そのとき、浅井の背後から黒づくめの大男だちが襲いかかった。
“フッ”と息をもらすと同時に、浅井は1番初めに殴りかかってきた
大男の股間をすりぬけた。
間髪いれずに右ストレートを繰り出す。
見事、2番目の大男の額をとらえた。
「よし」
と軽く声を発し、次なる攻撃に身構える。
すると、大男の後ろからアルマーニのスーツを着込んだ
小柄な紳士が現れた。小柄といえども180cmはある。
「キミが浅井くんか」
流暢な日本語だ。
「いかにも」
「ワタシはペケン・浅井。日系3世だ」
浅井はひとつ咳払いをして
「オレを呼び出したのはお前だな」
「そうだ」
「なんのためだ!」
「ここではいえん。ついてきたまえ」
小柄な紳士は大男をつれて歩き出した。
続
どうだい!? これは浅井氏から聞いた話をもとに作られていることを忘れないでお
くれよ。まぁ、続きはまた今度書きましょう。
さてここでまたまたお詫び。最近、忙しさにかまけてコラムが全然かけなくてスミ
マセン。斎藤氏からも直々にメールを頂戴してお叱り&激励を受けました。みなさま
の応援を糧にしてがんばりますので、よろしくお願いいたします。
では、また次回でお会いしましょう!!

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