(78) 世界にあって日本にないもの (July.14、2006) |
まずは、前号のベストイレブンの中で、ロナウド(ブラジル)をサブに入れたことに関して。 彼は今回確かにパフォーマンスは平凡なものだった(空振りもあったね)。だけど、W杯通算得点記録を塗り替えたんだ。 G・ミュラー(当時西ドイツ)の13点を更新して14点にした。これは当分破られない偉大な記録になるだろう。その称賛の意味を込めてサブにいれたわけだ。ただ、それによってはずされてしまった選手がいた。リベリー(フランス)だ。 そこで、次のように訂正することにした。 ベストイレブン・サブ・FW:リベリー(ドイツ) 特別賞:ロナウド(ブラジル)・・・通算得点記録更新を称えて。 世界にあって日本にないもの 前々号でも触れたように、日本は今回のW杯ではチームになっていなかった。さらにはコンディショニングに失敗していた(ピークはドイツ戦の引き分けだったね)。闘う気持ちも持ち合わせていなかった。だから、出場するのもはばかられる状態だったわけだ。 一方、視点をプレー面、つまり戦術面や技術面に移すと、いくつかの、というよりたくさんの足りないことが見えてきたような気がする。世界レベルのプレーを何試合も見続けることで僕たち素人の目は肥えていくもんだ。 世界にあって日本にないものを探してみた。 ドリブラーがいない。これは高速でもクネクネでもいい。ドリブルで2人以上を置き去りにできる選手だ。 FWを追い越してゴール前へラッシュするMFがいない。ビエラ、マニシェ、ゼ・ロベルト、M・ロドリゲス、ランパード、ペッロッタ。 ベスト8以上のチームには必ずこういうMFがいる。 グラウンダーで早いパスをくさびに正確にうちこめるDFがいない。全般的に縦パスのスピードが日本はゆるい。 そのくさびのボールを50%以上収められるFWがいない。これがあってはじめてサイド攻撃は生きてくるはず。 ミドルシュートが強く枠へ飛ぶ選手がいない。中田英が練習してたらしいけど、まだまだだった。それと、ミドルシュートを打つためのボール回しというものもなかった。 ラームやデコやフリングスのゴールは、こうなったらミドルを打つという布石をもってシュートに至っている感じがした。 まだまだあげればいっぱいあるけどこの辺にしておこう。 とにかく、世界の水準からはまだまだ離されている。世界を意識したトレーニングをもっとしなければいけないのだろう。 上川レフェリーに拍手 日本チームは不甲斐なかったけど、上川氏、廣嶋氏そして韓国のキム氏はすばらしい活躍だった。 なんといっても3位決定戦のレフェリーチームに選ばれたのだ。審判のベスト4(決勝、3決、準決勝という意味、正しいかどうかは別)に入ったということだ。これは称賛に値する。 グループリーグの2試合で笛を吹いたが、無難にこなしていた。決勝トーナメントにはいってから、まったく出てこなくなったのでだめだったかと思っていたところに、3位決定戦で上川チームが担当するという報。 驚いたと同時に、日本が惨敗して、なんだかなーと物足りなさを感じていたので、すごく晴れやかな気持ちになった。 その3位決定戦ドイツVSポルトガルもきれいな試合を演出できた(もともと3決はきれいな試合になるものだけど)。 彼はとてもよくしゃべっていた。選手と会話していた。特にFKの直前ゴール前でのヒートアップを必ず鎮めて、ひと呼吸おいてからリスタートさせていたのが印象的だった。何語でしゃべっていたのか知らないけど、選手からも信頼感を得て、思い通りにさばけている様子が伝わってきて、気持ちよかった。 彼と彼のチームの活躍に心から拍手を贈りたい。 新生ニッポン さあ、2010年へ向けての冒険がまた始まる。あてにならないFIFAランキングは49位にまで落ちた(これまでとは違って、いろいろな係数を使ってより正確な順位を出すようになったらしい)。 とにかく上を向いて進んでいくだけだ。4年をワンサイクルで生きているサッカーファミリーの新しい4年が始まる。 次の4年も大いに楽しもう。 |