(76) チームへの自信はあったか (Jun.23,2006) |
チームへの自信はあったか 惨敗だった。これほどまで打ちのめされるとは想像していなかった。何でこうなってしまったんだろう。これでは、この4年間何を積み上げてきたのかまったくわからない。 きっと、メディアは、これが日本の実力とばかりに切り捨てるだろう。その実力とは何だろう。サッカーの技術や戦術眼という個人の実力ではなく、チームとしての実力だ。 それは、チームとしての意思統一とそれを真剣勝負の場で表現するためのコンディショニングだ。 この3試合を見ていて、選手一人ひとりが自分のチームを信じてプレーしているという一体感が伝わってこなかった。つまり闘うチームとして準備されていなかった。そんなふうに思える。試合運び、ラインの設定、プレスのかけどころ。これらの意思統一がないと、チームへの自信がゆらぐだろう。 それでもコンディションが良ければ、体力と頑張りがきく。でも残念ながら意思統一の低さをカバーする体力は備わっていなかった。 日中に行われた他の試合とくらべてみると、日本が一番走れていなかったのがよくわかる。 オーストラリア戦で同点弾を許したところで、そのほころびが一気に顔を出し、浮き足立ち、反発する力もわいてこなかった。それを引きずってクロアチア戦では、無邪気なほどにシュートに冷静さを欠いていた。そしてブラジル戦ではチーム全体に「先を読む目」がなくなっていた。後半の日本はブラジルのパスの行方を目で追うことしかできなくなっていた。ほころびは負のスパイラルを招いてしまった。 同点にされたところで、どうってことなかったのに・・・。 僕の心の中に答えが見つからない疑問がいくつもある。 なぜ、ここまでレギュラーだった福西が突然稲本に代わったのか(中田英となにかあった?)。 なぜ、俊輔は最後まで輝かなかったのか(肝心なときに風邪をひく体質改善を!)。 なぜ、坪井は腿裏をけいれんさせてしまったのか(あんなところけいれんさせて退場するの初めて見た)。 なぜ、センターバックはボールにチャレンジできずに棒立ちになってしまったのか(頭回転してない)。 なぜ、柳沢はとっさにアウトサイドが出たのか(あれはおかしい!)。 コンディション、意思統一両面で、闘う準備ができていなければワールドカップで結果が出るはずがない。 親善試合ならいざしらず、ワールドカップはそれこそみんな死にものぐるいでやっている。自分の人生を賭けてプレーしている。その極限の状態で、なお自分の普段のプレーを正確にやり、チームの中に調和させていくのだ。日本はそれができなかった。 闘う目をしていたのは川口と中田英だけだった。あとはみんなどこか腰の据わらない弛んだ目をしていたような気がする。チームを信じていない目だった。結局チームが完成しなかったということか。 この悔しさは絶対に忘れられない。 中田英よ、俊輔よ、小野よ。このままでは終われないだろう。年齢なんて関係ない。 2010年を目指してくれ。 闘う集団になって帰ってきてくれ。 コンディショニングを整えて再スタートだ。中田英が言うように走れない日本は勝てるはずがない。 |