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「潜り込み」が鍵を握る

(May.17,2006)

「潜り込み」が鍵を握る

思い出したようにペンを執って、いやキーボードをたたいてみました。
そう、いよいよW杯日本代表のメンバーが発表になり、臨戦態勢に入ったからです。
久しぶりのRyo's Eyes、よろしくお願いします。

「潜り込み」が鍵を握るなにはともあれ、23人の戦士がそろった。久保はホント残念だな。でも、よく考えたら、1年以上もパフォーマンスが上がらない選手を、いくらベストFWだからといって選べないよな。
好きな選手だから期待はしていたけど、ジーコの判断は適切だろう。
久保がいないと迫力に欠けるFW陣になってしまうが、無い物ねだりしててもしょうがない。
久保がいないということは、高さで勝負になりそうな選手を失ったということだ。巻がいるけど、上背の割には競り合ってのヘディングがとても強いとは思えない。オーストラリアやクロアチアの巨漢たち相手では劣勢だろう。となるとどういう形で点を取るのかだ。
「潜り込み」が効果的じゃないだろうか。奇策じゃないかと笑われそうだが、本気でそう思っている。
サイドに潜り込む。エリア外からわずかなDFの背後に潜り込む。スキルが高く、敏捷性のある日本人選手が最も生きる戦術のような気がする。
玉田はサイドから切り込んでゴールライン際まで潜り込むプレーが得意だ。柳沢や大黒はDFラインの裏にギリギリのタイミングで潜り込むのが得意な選手だ。
サイドからの潜り込みからマイナスに戻して中田英あたりがミドルシュート。DFの裏に俊輔から短いスルーパスがでてシュート。こんなシーンが日本のゴールシーンじゃないだろうか。
コンフェデレーションズカップのギリシャ戦で大黒があげたゴール。あれが典型的な形だ。

期待のFWは玉田
さて、FWの軸は誰だろう。今までのジーコの流れからいくと、久保がいない以上、高原か柳沢なのだろう。でも、僕は玉田に期待している。彼の敏捷性、テクニック、スピードは相当な武器だ。世界で十分通用すると思っている。大柄なDFがそろうオーストラリアやクロアチアには、うってつけの攻撃タレントじゃないだろうか。「潜り込み」作戦に最も向いている選手だと思う。キリンカップの2試合でははずしまくっていたけれど、突破する、チャンスを作るということに関しては、立派に役割を果たしていたように思う。調子もよさそうだし大いに期待している。
玉田を軸にFW組み立てほしいな。
相棒は誰だろう。高原か。高原は動きすぎる、サイドに流れて起点をつくる動きは玉田の特徴とダブる。そう、僕から見ると、玉田と高原は同じタイプのFWなのだ。突破したあと仕事ができるのは玉田の方。高原は「潜り込み」を得意としてはいない。
ポストプレーが巧みで、DFラインの裏でのボールの受け方もうまい柳沢が相棒としてはいいのではないか。玉田がしばしば引いてもらって、はたいて上がっていくというプレーを見せるが、そのとき柳沢はDFラインの裏を虎視眈々と狙っているだろう。彼ら2人は横の関係というより、縦の関係をうまく作り出せるのではないか。
玉田と柳沢、相性のよいコンビだと僕は思うのだが。柳沢のコンディションが戻るのを祈るばかりだ。
巻はどうか。彼は02年の時の鈴木と同じ役割だ。タイプ的に似ていて、鈴木より得点パターンが多いのがいい。つぶれ役、チェイシング、体を張ってのボールキープ。試合展開で必ず必要なときがあるだろう。なにしろ、今旬の選手だ。それだけで、何かしでかしてくれるかも、と期待してしまう。
前回ベルギー戦での鈴木のゴールのように。