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どうする日本代表FW陣

(Nov17,2005)

どうする日本代表FW陣

アンゴラはおとなしかったな。ナイジェリアに勝ったというからどれほどのチームなのかと思ったが、調整試合という感じで怖さがなかった。だから負ける試合ではなかった。
だからこそ日本代表の勝ち味の遅さが目立ってしまった。つまりはFWの決定力だ。
毎度言われていることで、おそらく永遠の課題でもあるのだけれど(各国もこれで苦労している)、あれほどチャンスがあるのに(特に前半)なぜ決められないのだろう。
スタンドではこんな会話が交わされた。「何でポストとかバーに当たっちゃうの、何で決められないの?」
「それは高原だからだよ」・・・これでは敵に塩を送っているようなものだ。
柳沢の談話が新聞に載っていた。「チャンスを作るのが僕の役割だと思っていた」・・・相変わらずだ。
ホンジュラス戦のミドルシュートを忘れてしまっただろうか。あのゴールは、ようやく吹っ切れたか、と思わせてくれたのだが、今回また元に戻ってしまったようだ。
ペナルティエリアに入ったところで前があいているのにシュート体制に入ろうとせず、サイドの味方にパスを出していた。
アンゴラも怖くなかったが、柳沢も怖くなかった。彼のスタイルだと言ってしまえばそれまでだが。
そもそも柳沢と高原の2人でシュートまで持って行ったシーンがあっただろうか。2トップは2人だけでゴールをこじ開けられなければ2トップとはいえない。アンゴラ戦の2人はそれぞれが中盤との連携に力を注ぎ、お互いの連携で相手に切り込むという姿勢が見られなかった。
W杯まで200日あまり。トルシエ時代と同じで日本代表は中盤が点を取らなければいけないのか。
やっぱり久保が恋しいな。早くコンディションを戻してくれることを願うばかりだ。
 
攻撃の圧力

オランダのPSVの監督を兼務しながらオーストラリア代表を指揮するヒディンクがまたもや話題提供だ。
オーストラリアがプレーオフでウルグアイを破って74年以来のW杯出場を決めた。日韓W杯で韓国をベスト4まで連れて行ったヒディンクは勝負師だ。02年の韓国代表のパフォーマンスは鮮烈に記憶に残っているが、今回のプレーオフでも勝負師の本領を発揮した(ようだ)。
第1戦を0−1で落とした後、ホームにウルグアイを迎えたオーストラリアは終始攻め続けてウルグアイを圧倒した。
特に前半のうちにDFを下げてキューウェルを投入して勝負をかけたヒディンクの采配はさすがと思わせる。
1−0で90分を終え、延長でも勝負がつかなかったので完全にひっくり返したわけではないが、その攻撃精神がPK戦勝利をたぐり寄せたのだと言ってもいいだろう。
親善試合とW杯予選とを単純に比較はできないが、アンゴラ戦での日本のFW陣の勝負弱さと好対照に思えてきてしまう。もっと言ってしまうと、なにやら日韓W杯での韓国と日本の差を彷彿とさせるようだ。
本大会での日本代表の勝負強さ、攻撃の圧力、前へ進む力に期待したい。
列強の仲間入りをまだ果たせていない日本がW杯で勝利をあげるためには、きれいなサッカーだけでは果たせないだろう。
リスクを冒してでも点を取りに行く気持ちの強さが必要だろう。
ところで、W杯の出場権がPK戦で決まるのは酷だなぁ。日程に余裕があれば、再試合をさせたいところだ。