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トルコよ、シュートが足りない!

トルコよ、シュートが足りない!

今大会好感を持ったチームのなかでトルコというチームがベスト4に進んだ。別に破壊的な攻撃があるわけではない。華麗なファンタジスタがいるわけでもない。確かな技術、素速い判断、シンプルで間違いのないパス回し・・・どこか日本に似ているのだ。トルコという国に対する知識はあまりに少ないが、何となく親近感がわく。バステュルクやエムレの背格好もそうだ。特にバステュルクは風貌からプレーまで森島にそっくりだ。
いやいや、見た目の話だけをしているのではない。
日本戦のトルコは今大会の中では底だった。逆にセネガル戦のトルコはとても強かった。あの試合を見て日本とトルコは似ているなーと感じていた。
3年半をかけてトルシエは日本代表を一定のレベルで完成させたと言っていいだろう。フラット3が取りざたされているが、それはシステムだ。新監督がやってきてフラット3を継承するかというと疑わしい。
むしろ根付かせなければいけないのが、ゾーンをできるだけ高く保ち、組織的でアグレッシブな守備から速い判断、速いパス回しでゴールを目指す、特に2列目の追い越しによるアタックがお家芸、というサッカーだ。3〜4人のグループの有機性で守り、攻める、組織と個人が融合したモダンなサッカーだ。
つまり日本のスタイルというのがおぼろげながら見えてきたのではないだろうか。トルシエの大きな功績のひとつは、日本のスタイルを提示したことだ。
ところがトルコは日本と近いスタイルでブラジルに挑み、敗れた。守備はよく頑張ったが攻撃が効果的ではなかった。ブラジルGKマルコスをひやりとさせたのはごくわずかだった。
1点を失ったあと、懸命に攻めた。最後の方はブラジルのカウンターにさらされながらも相手陣内深く入り込みシュートチャンスをうかがった。しかし、ブラジルDF陣は効果的なシュートを打たせてくれなかった。ブラジルのDFをほめなくてはいけないが、一方でトルコ攻撃陣の肝心なところでシュートを打ちきれないもどかしさも感じた。こういうところまで日本に似ている。
そう、日本の課題はそこだ。シュートコースがあったとき迷わず打つ。これが足りない。ロナウドのトゥキックシュートとは対照的だ。相手4人に囲まれながら、ドリブルのステップのままシュートをしたロナウドは、トゥキックはタイミングがずれることを知っていてなおかつあの場面で躊躇なく披露したのだった。ロナウドが生粋のストライカーであることをあのゴールが証明している。
日本は中盤の組み立てはいい。タレントも中盤に豊富だ。後ろで操る司令塔タイプが日本人の民族性にあっているのかもしれない。でも、点を取る奴が必要だ。
高原の復活を願う!柳沢の一層の飛躍を願う!そして新しいストライカーの登場を願う!!
田原 豊? 阿部祐大朗? 力強く、「俺がゴールを奪うんだ」という気概に満ちた男の出現を願う!
ブラジルVSドイツの決勝。ロナウドのこれぞストライカーという多くのシーンに期待する。絶好調カーンを破ることができるのか。

 

                  

 

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