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(55)W杯特別版1号やっぱり本番は違う!!

W杯特別版1号
やっぱり本番は違う!!

いよいよ始まった。セネガルが前回王者をものの見事に撃破した開幕ゲームでスタートしたW杯は、3日目を終えてやはり世界のレベルは違うと感じさせるものだった。1対1の攻防の激しさ、ボールへの執着心、ゴールに向かうひたむきさ、ゴール前のピンポイントに飛び込む勇気、そしてその上非の打ち所のない技術、伝統と時代への適応をミックスさせた高度な戦術が競演している。レベルが高いはずだ、興奮するはずだ、テストマッチとはワケが違う。こういう中で本当に日本代表がやっていけるのかという不安さえよぎる。ベルギー戦は勝敗はともかく、そういう世界の本気モードタイトルマッチのなかで日本の選手がどういう振るまいができるのかという視点で観ていきたい。
3日目を終えた中で僕が印象に残っているのは南アフリカ対パラグアイ、イングランド対スェーデン、カメルーン対アイルランドの3試合だ。共通点は引き分け。そういずれの試合もリードされたチームが無類の反発力で押し返した試合だ。
南アフリカは、攻守のバランスが完璧だったパラグアイに2点を先行されたが、最後はなだれ込むようにPKを奪い(シミュレーションに見えたが・・)同点に追いついた。スェーデンはデキの良くないイングランド相手にCK一発で先行されたが、怒濤のラッシュをしかけ力ずくで同点ゴールをもぎ取った。アイルランドは攻め手がなかったにもかかわらず、カメルーンペースで進んだ試合のなかで唯一のチャンスに正確なミドルシュートで追いついた。
サッカーはいくら相手が先行しようと、大きな実力差がない限り必ず自分たちの時間が訪れる。先行を許してもあわてず、その時間を虎視眈々と狙い、ひとたび自分たちの流れになったときリスクをおかしてでも人数をかけて、ある時はバランスを崩してでも点を取りに行く。その決断力と11人の集中力が感動の同点劇を生むわけだ。W杯に出場するチームは必ずこういう反発力を備えている。だから試合終了の笛が鳴るまであきらめてはいけない。この3つの引き分けはW杯の真実の一部を照射しているような気がした。
日本代表もそういう反発力があるだろうか。自分たちの流れを的確につかみリスクをおかしてでも点を取りに行く(こうやって点を取ると「勝負強い」と言われる)という芸当ができるだろうか。
もちろん先行逃げ切りの方が見ていて楽だ。しかし全部が全部そういう試合にはならない。リードされていて最低でも引き分けにしなければいけない。勝ってはいるがもう1点とらないと得失点差で第2ラウンドへは進めない。そういう状況が来るだろう。その時全員が勝負所をかぎ分けて「さあ、今だ!勇気を持って点を取りに行くぞ!!」とばかりに11人が結束できるだろうか。世界の本気モードタイトルマッチでこの勝負所に点が取れてこそ「世界の仲間入りを果たした」と言えそうな気がする。
ところでサウジアラビアはどうしたと言うんだ。0−8はないだろう。これでアジアがまたアウトサイダー扱いになってしまう。何とも失礼な試合をしてしまったものだ。ドイツにしたってあんな試合じゃ参考にならない。点を取った選手は気分がいいだろうが、収穫はそれだけだ。むしろ反動が怖いんじゃないか?
サウジにはこのあとのアイルランド戦、カメルーン戦でしっかりとした試合をしてほしい。

と書いてきて、ふと思った。アジアのチームは無様な結果を残してはいけないんだ。そう、韓国は第1ラウンドを突破する。アメリカの肉体勝負に韓国は決してひるまない。
ということで、Vol.53のD組の項を次のように訂正しよう。
(誤)1位:ポルトガル、2位:アメリカ
(正)1位:ポルトガル、2位:韓国

 

 

                  

 

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