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僕が見たい選手はどこへ・・・,最近の日本代表は前が心配、そしてベンチが心配

僕が見たい選手はどこへ・・・

ロマーリオ(ブラジル)、ロベルト・バッジョ(イタリア)、ロベール・ピレス(フランス)、メーメット・ショル(ドイツ)、スティーブン・ジェラード(イングランド)、グアルディオラ(スペイン)。僕が見たい!と思っていた選手たちが続々と不出場になっていく。そして、中村俊輔もそのリストにエントリーされてしまった。
それぞれの選手たちには、それぞれに理由がある。ピレスやジェラードのように怪我による不運というケースもある。そして、ロマーリオ、バッジョのように監督の構想外というケースもある(バッジョは怪我の影響も大きいが)。俊輔も監督の構想外になったと見るのが妥当だろう。左膝の怪我の影響がないわけではないだろうが、俊輔がどうしても必要なら、回復の計算をしながら選出しておくことができる程度だったはずだ。
国民からの最大級の支持を得ている選手を選出しない例はこれまでにもあった。古くは、78年大会のマラドーナ(ただし彼は当時18歳)。最近では、98年のフランスのカントナ(彼はそれ以前から構想外になっていたが)と日本のカズ。ロマーリオは98年大会に続く涙の選考漏れだ(あのときは怪我の回復具合だったが)。構想外になるケースは天才肌に多い傾向だ。やっぱり監督としては使いこなすのが難しいのだろう。戦術と芸術の融合はそれほど難しいことなのだろう。W杯という場が勝負の懸かったエンターテイメントである以上、その両方を追求してもらいたいのが観衆の欲望だ。しかし監督は勝負にこだわらざるをえない。芸術は選手のものだが、監督は勝負しか追求できないからだ。芸術を融合させて勝負にも勝った例は今まであるのだろうか。82年のブラジルはその可能性が最もあったチームだろう。それでも優勝はおろか、ベスト4ものがしている。
おそらく成功例は、70年のブラジルまでさかのぼらなければないのではないか。
トルシエはプロの監督として、勝つために最善の選択をしたはずだ。彼のシナリオが現実化することを祈ってやまない。
そうは言っても、日本にこんなに上手い選手がいるんだということを世界に見せることができないのはとても残念でならない。
きっと彼は、もっと上手く、もっと強くなっていくに違いない。今までもそうして挫折を乗り越えてきている。俊輔の猛烈な巻き返しに期待したい。

それにしても、S.ジェラードが見たかった!! 俊輔とバッジョの競演が見たかった!!

最近の日本代表は前が心配、そしてベンチが心配
3試合で7失点が取りざたされている。ホンジュラス戦3点、レアル戦1点、ノルウェー戦3点だ。
ホンジュラス戦の1失点目、レアル戦、ノルウェー戦の1失点目はセットプレーからだった。そしてホンジュラス戦とノルウェー戦はその失点を契機としてミスが続出したか、前がかりになったかでバタバタと失点を重ねてしまったわけだ。
フラット3の危機というのは当たらない気がする。現に両サイドが破られてDF組織が崩壊したという失点はない。問題はオフサイドラインの上げ下げの判断、タイミングだ。セットプレー時しかり、中盤から前線へ放り込まれたときしかりだ。相手の2列目の選手が日本のオフサイドラインと入れ替わりでフリーで抜け出すというシーンが目に付いた。この戦法は多用すると相手にも読まれやすい。現にホンジュラスとノルウェーはよく研究していた。森岡にしろ宮本にしろセンターの選手の頭脳のコンディションがすこぶるいいことを期待せざるを得ない。まあ、あんまり多用しない方がいいようだけど。
この戦法は中盤から前の守備組織が大いに影響する。前でプレスがかかって初めて高いオフサイドラインが有効になる。ところが中盤のプレスがかわされるとDFラインは苦しい。2列目の選手も狙いやすいし、パスを出す選手も余裕を持って良質なボールを供給できる。そうなると、DF3人の間を面白いように相手選手が駆け抜けていくということになってしまう。特に中盤をとばして、相手ボランチあたりから放り込まれたボールが一番やっかいだ。つまりその点では戸田、稲本の両ボランチのデキ以上に攻撃陣のプレスが生命線だということだ。
攻撃的MFやアウトサイド、FWの選手たちが守備の第一歩としてきちんとプレスに行くということが徹底されないと厳しいということだ。逆にこれがはまると日本のペースになるわけだ。書いてて思いついたが、そういう意味で俊輔は不足だったのかもしれない。プレスの担い手にはなれないという判断なのかもしれない。
さて、むしろFWが心配だ。この3試合で久保、鈴木、柳沢らがゴールを目指したけど、いずれもボールが収まらない。くさびのパスの質にも問題はあるのだろうけど、あそこまでボールを止められない、キープできない、前を向けないでは点を取れるはずがない。おそらくコンディションの問題もあったのだろうから、本番までには調整してくるだろう。フラット3が点を取りに行くことを目的とした攻撃的戦法である以上、この部分が解決しないと、ちぐはぐな試合運びになってしまうぞ。攻撃時間がそこそこ長くないとDF組織に影響するっていうことだ。
頼むよ柳沢!!君がコンディション上げないとホントやばいよ!!
でも一番大事なことは、トルシエがうろたえないこと、信念を持ってシナリオをやり通すことだと思う。
秋田の選出に彼の迷いが見て取れるような気がして少し心配だ。

 

 

                  

 

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