RyosEyesの目次へ戻る

 

(52)

スロバキア戦、気になること2点 他

 

スロバキア戦、気になること2点

稲本の試合感はどうなのか。なんとはなしに存在感が薄くないか。戸田の成長が著しいということはあるだろう。でも、草原でライオンがシマウマに襲いかかるような迫力のボール奪取は見られない。地味路線に変更したのか。印象に残るプレーは2度あった。三都主を走らせた正確なロングフィードと俊輔のロブに飛び出してエリア内に進入したプレーだ。2つとも稲本らしかった。でも、守備機会ではあまり彼らしさが出てたシーンはなかったように思う。本番へ向けて少し心配な要素だ。むしろ後半も使い続けてもっとならしてあげた方が、持ち味が出てきたのではないかという気がする。
ひょっとすると本番は小野と戸田のダブルか(?)なんていう想像もしてしまった。まあそれもアリだけどね。
もう一つ気になること、それは決定力だ。攻撃は水物とは野球でよく使う言葉だが、サッカーにも当てはまるとは思う。でも、今年に入ってからのポーランド戦をのぞいた3試合は決定力不足が感じられる。あまり取り上げられていないようだけど。コスタリカ戦よりはずっとマシだった西沢も、ことシュートになると瞬間的な落ち着きが感じられない。ついてないという言い方の方がふさわしいかもしれないが、久保ももうそろそろ入れないと、仏(トルシエ)の顔も3度までだ。個々のFWの決定力もさることながら、チーム全体としての決定力がもっとほしい。特に今回のスロバキアならなおさらだ。4−0ぐらいで蹂躙していていい試合だったはずだ。
俊輔は十分アピールできた
ようやく自分の勝負したい場所で勝負するチャンスをもらったのが俊輔だった。一ファンとしてこの試合があって本当に良かったと思う。彼にしてみればもっとやりたかっただろう。右足で打ったボレーが左足だったら、もっと狙える位置でのFKがあったなら、福西のヘディングが入っていたならと思っただろう。でも、十分アピールしたと思う。特に前半はやりたいことをやれていた。開始10分の三都主へのスルーパスはタイミング、軌道、ボールスピードすべてが完璧だった。ドリブルで突っかけてDFを引きつけ裏に西沢を潜り込ませたプレーなどはさすがだった。これで俊輔は左サイドではなくトップ下の候補者として名乗りを上げることができたわけだから少しは気持ちも落ち着くのではないだろうか。
ただし、楽しくやれたかもしれないが、相手の中盤がユルかったのも事実だ。今回のスロバキアは明らかに格下だった。本番はもっと厳しい。特にフィジカル的に。フィジカル勝負に対して、彼特有の粘り腰とテクニックの柔らかさがどれだけ通用するのかはまだ証明されていない気がする(もちろん僕は通用すると信じているのだが)。そこのところを忘れてはいけないだろう。
柳沢の右サイドって何?
自分は保守的なのかな〜と思ってしまう。本番まであとテストマッチ4試合を残すのみというスロバキア戦で、「あっと驚く布陣を披露する」と言ってトルシエが用意していたのは右のアウトサイドに柳沢を起用することだった。もちろん合格点のつけられる出来だったと思う。翌朝の新聞各紙にも疑問を呈するコメントはいっさいなかった。むしろ、オプションが広がったという論調が多かった(と言っても一般紙2紙、スポーツ紙1紙を見ただけだが)。でも、じゃあ彼がノビノビとやっていたかというとどうなんだろう。
監督の指示に従い、チームコンセプトを理解しそれを表現することがプロの選手ならできて当然とは思う。
でも一方で、プレーの喜びを彼が享受できたかというと、少なくとも画面からはそれを感じることはできなかった。俊輔も同じ境遇に置かれている。でも俊輔はまだいい。なにせ左のアウトサイドと格闘し始めてから足かけ4年になっている。柳沢はどうか。ここ1週間の話だろう。この期に及んで、選手の心に動揺をもたらしてもしょうがないんじゃないか。
と思う一方で、こうも思う。守り系の服部、組み立て系の小野、突破系の三都主が揃っている左に比べて、右は守り系の波戸と明神、突破系の市川がいるだけで組み立て系がいない。柳沢の一連のプレーは右サイドに起点を作るという意味では重要なオプションなのかもしれない、と。そう考えると柳沢って万能選手だね。本人が納得できるかどうかにかかっているな。このシステムは(ビルトールと比べるのはあたらないよ、システムが違うから)。
1点がどうしてもほしいときの布陣で、左に三都主、右に柳沢、トップ下に小野と俊輔、ボランチは戸田一人、2トップに高原とヒデ、っていうのはどうだろう。現実的じゃない?でも見てみたいよね。
と書いていたら、今日はホンジュラス戦か。もう一度俊輔のトップ下を見たいな〜。

 

 

                  

 

                       Top Page    ホームに戻ります