行って来ました。埼玉スタジアム
すばらしいスタジアムだった。やはりサッカー専用スタジアムは全然違う。
長年サッカーと連れ添ってきたファンにとって聖地は国立競技場だった。そして最近では、W杯決勝の会場に指定された横浜国際競技場が、その収容人員の多さで、日本のトップクラスのスタジアムと認知されていた。でも、6万人強を収容するサッカー専用スタジアムは我々の夢だ。
その空間に身をおく心地よさは別の世界のものだ。
陸上トラックをもつ国立競技場や横浜国際競技場はスタンドからピッチまでが遠い。それはさしずめ、TV(もちろん画面は大型)で映画を観たときの、「面白かったけどもっと迫力がほしいよね」感に近い。本物なんだけど少し物足りないという感じだ。
そこへいくと埼玉スタジアムは、サラウンド音響効果抜群の映画館のようだ。手を伸ばせばそこにデル・ピエロがいる。声をかければ中田が振り向きそうだ。まるでヨーロッパのサッカー会場に紛れ込んでしまったような錯覚に陥る。
こういうスタジアムでプレーできる選手は幸せだ。そしてこういうスタジアムで観戦できる我々もとても幸せだ。
やはりW杯の決勝は埼玉スタジアムの方が良かったのではないか。いまさら変更はダメ?
いずれにしても、首都圏にお住まいのみなさん。一度は埼玉スタジアムに足を運ぶことをおすすめする。
ただし、ナイトゲームは要注意。東京や神奈川に住んでいる者にとって、試合後の余韻を楽しむために寄り道する時間がホントに少ない。
自信をつかんだ日本代表、あとは俊輔だけだ
イタリア戦はいい試合だった。まず、イタリアがほぼベストメンバーだったこと、そして強行日程の割には手を抜いたプレーではなかったこと。それが好ゲームを演出した大きな要因だ。
時差と長旅の疲れで、来日間もない外国チームはたいてい気のないプレーばかりになる。でも今回のイタリアはプロフェショナルだった。真摯に戦ってくれた。このことに関しては感謝しなくてはいけないだろう。
さて、日本代表のプレーぶりだが、観戦した誰もが柳沢のすばらしさを再確認したはずだ。
彼の動きだしの良さは今までも言われてきたが、この試合であのネスタ、カンナバーロを向こうにまわして好プレーの連続だった。彼の動きの質が国際レベルで十分通用するものだということが証明された。
特にくさびのパスを受ける際のマークのはずし方、受けた後のトラップ、前を向くのか簡単に後ろへもどすのかのプレーの選択の的確さは際だっていた。彼のポストプレーが日本のリズムを作っていたと言っても過言ではないと思う。この調子を来年の夏まで持続してほしいと願うばかりだ。
稲本の積極さも良かった。彼と戸田が試合開始序盤にイエロー覚悟の激しいプレーを見せたことが、その後の日本の好プレーを引き出したような気がしてならない。1対1で絶対に負けない、と言わんばかりのプレーを見せることがチームに勇気をもたらしたことは間違いない。
トルシエについてはどうだろう。後半の選手交代は、頭から森島に代えて中田英、高原に代えて鈴木を入れたわけだが、これはシナリオ通りの起用だった。
稲本に代えて伊東を入れたのは国外組の稲本の疲労を考えてのことだろう。鈴木に代えて中山を入れたのも最後1点とって勝ちたい。中山なら何かできるだろう、という起用だ。
でも小野に代えて服部を入れたのはどうにも納得がいかない。
なぜ俊輔を使わないのだろう。1−1でホームにイタリアを迎え、試合展開としても勝つ可能性が十分あったのだ。攻撃に彩りを与えることができる選手を入れたいとみんな思ったはずだ。明らかに守備固めをする場面ではなかったはずだ。
最近の俊輔は守備の激しさが出てきて、運動量も多くなってきていたので、チャンスがあると思っていたが、拍子抜けだった。彼の復調具合を試す絶好の機会だったのではないか。
ひょっとしてトルシエの頭の中から彼は外れかかっているのか?
まだ時間はある、俊輔は代表に必要な人材だ。多少贔屓もはいっているが。
こうなったら、Jの残り試合、天皇杯でトルシエをうならすプレーを数多く見せるしかない。
がんばれシュンスケ。
|