スペイン対日本、守備に関する2つの見方 |
スペイン対日本、守備に関する2つの見方スペイン戦は0−1で負けました。トップ10とやって、あわやドローという試合をしたのだからよくがんばった、という見方と。攻め口が見つからず、勝つ可能性がほとんどゼロだったので、完敗だ、という見方と2つあるようです。 僕は、この2つの見方に似ている別な2つの感想を持ちました。 1.「終了間際失点症候群」はいつになったら解消するのか。 思えば、ドーハのイラク戦、W杯フランス大会のアウェーのカザフスタン戦やホームの韓国戦、シドニーのスロバキア戦やアメリカ戦、そして今回のスペイン戦。逃げ切れた試合ももちろんあるけれど、ここぞというときの試合で、かなり高い確率で、終了間際に失点を食らっています。 トルシエの言う守備の文化というのはこういうあたりなのではないかと思います。まあ、あのイタリアでもユーロ2000の決勝で、フランスにロスタイムで追いつかれて延長でやられたから、絶対というのはないのだけど。 これは、意思統一とリーダーシップというのが鍵のような気がしてます。 もちろん守りにはいるのか、1点を取りに行くのかは監督の判断でしょうが、それを実行するのは選手です。タッチに蹴り出すのがいいのか、つないでキープするのがいいのか、相手DFの裏にパスを通してチャンスを広げるのかという、プレーそのものの選択をいちいち監督が指示できません。 そこで意思統一です。我々のチームはどうやって時間を稼ぐのか、どうやって残り少ない時間で点を取りに行くのかということについて11人の意識がプレーレベルで一致しているかどうかが問題です。守りきるんだということがわかっていても、その手法についてまで意思統一されているかということです。 その時にどうしても必要なのが、ピッチ上の監督です。スペイン戦では名波がその立場だったのでしょう。彼が強い意志と大きな声でもって、今こうするべきだということをチーム全体に指示しなくてはいけません。それが不足していたのではないでしょうか。特に今回のスペイン戦は、別にアップアップの状態ではなかったように思えます。割とすんなりと逃げ切れるような雰囲気がありました。こういう試合をお約束のようにドローに持ち込めないと、W杯でグループリーグを突破することはできません。 2002の日本代表の真のリーダーは誰だ。という命題は結構大きい問題だな。 名波?中田?服部?森岡?・・・・・。 2.日本代表はアタッキングサッカーを失ってはいけない 最後の最後に失点したのは納得いかないけど、90分を通した評価としては、守るということに関しては合格なのだろうな。 でも、割り切れない気分は残るな。1点もやらないぞ、というプランの試合があるのは当然だけど、あわよくば1点取って勝っちゃうよ、というサッカーにしてもらわないと魅力も何もあったもんじゃない。確かに波戸はよく頑張っていたけど、やっぱり点が取れそうな雰囲気なかったよ。何よりも、カウンターが鋭い、怖いという印象はなかったね。あれでは、アトランタの奇跡はやれても、奇跡でしかない。ゲームプランとして虎視眈々とジャイアントキリングを狙うということはできないな。 トルシエジャパンのベースであるアタッキングサッカーのなかで、積極的な守備、できるだけ前での守備、時間帯によって試合運びとしてゴールにふたをするような守備(その時間が長くなっても、限られた攻撃に怖さがあればよい)ができる。こういうチームになって欲しい。 決して、日本とやるときの東南アジア諸国のようなサッカーはして欲しくない。トップ10とそこまでの差はないですよ。昨日のスペインだったら、そういうサッカーができれば戦えますよ。 時々、割と高い位置でプレスがかかり、ボールを取ることができていたけど、そしてそれはすばらしいことだけど、その奪ったボールを効果的な攻撃に結びつけることはできていなかった(後半に波戸が右サイドを破って伊東がボレーを打った1回だけでしょ)。 日本代表はアタッキングサッカーを失ってはいけないんだよ。試合展開とその試合の持つ意味が違うけど、シドニーの時のブラジル戦の方が前へ行こうとする意志を感じたけど、どうだろうか。 コンフェデレーションズカップは、こういう点に注目して見たいね。特にブラジル戦。 それにしても、俊輔のいない代表はホント寂しいな。 |