タレントがいないときの戦い方
キリンカップの2試合は消化不良でしたね。
ボリビア戦なんか、残り45分であの相手から1点を取れないというのはまだまだだということです。
あーゆー状況を称して専門家は「攻撃の形が見えない」と言うのでしょう。
キリンカップ2試合で、評価すべき点としては、力が互角の相手(もちろんA代表)であれば今の俊輔でも十分にトップ下がつとまるということ、淳宏が確実にトルシエに信頼されたということ(右も左もOKの選手ということで貴重)、柳沢が少し自信を回復したこと、FWの層が厚くなり厳しい競争の予感が漂っていること、コパアメリカ当時に比べるとオーバーエイジの選手たちがずいぶんトルシエとの折り合いがついてきたこと、このぐらいかな。
評価できない点としては、意味不明な選手交代が時々見られること、実は3バックの層がそれほど厚くなっていないこと、右サイドの人材が見出せていないこと、中盤のタレントがいなくなったとき攻撃が手詰まりになること、こんなところでしょう。
どちらにしても、ヒデや名波、俊輔がいないとチームのアイデアの豊富さ、ダイナミックさがワンランクダウンするのは否定できません。
ボリビア戦で俊輔が調子悪くて(明らかにコンディション不良だった)退いたあと、一瞬機動力が高まって良くなったけれど、やっぱり後半は打開力、展開力、アイデアが明らかに不足していました。でもこれはしかたのないことでしょう。スター選手がいなくても同じ攻撃力を保てるなんていうのは至難の業です。(もちろん、いなくても一定のクォリティは保ってほしい)
世界見渡したって、スターが欠けても試合のレベルが落ちないチームなんてブラジルぐらいでしょ。みんなそのことには苦労しているんです。(特にジダンのいないフランスって想像できます?)
93年はラモスがいないと別のチーム、97年、98年はヒデがいないと攻撃が成り立たないチームだったわけです。それに比べれば格段の進歩です。
言い方を変えれば、攻撃の主軸が不在の時にいかにして1点を取るのかということが大きな課題です。これこそ日本の攻撃のベースづくりです。まだまだ2002年までレッスンは続くという感じですね。そう考えると層はどんどん厚くなりそうだという予感はあります。
今はドングリの背比べでも
層の厚さといえばここへ来てようやくFWの駒がそろってきました。まだまだドングリの背比べから脱していませんが、2002年ということを考えたら、別にそのときのエースを今決める必要はないわけです。むしろスタートラインに立ったという段階です。
だから、西沢だって名乗りを上げたという程度で、取り立てて突出はしてない。
これからの厳しい競争の中で、どれだけレベルを上げられるかが重要です。
城、中山、カズ、高原、西沢、久保、柳沢、平瀬、森島、まだまだいます。
北島だって化けるかもしれないし。田原(鹿実の3年)が急速に伸びることだってあり得る。
要するに競争が激しいか、いつも自分と戦っているか、その継続が大事なんでしょう。今の代表のFW陣がおかれている環境はなかなかいい状態のような気がします。約束された絶対的エース(ヒデのような)がいないので、みんなにチャンスがあります。
セカンドステージが6/24から始まります。
僕は、彼らがどれだけレベルアップしていくのか、得点王争いの上位に名を連ねているのか、チャンスを逃さないという気概で試合に臨んでいるのか、そういった観点でリーグ戦を見ていきたいと思います。
さて欧州選手権のグループリーグも最終ラウンドに入って、ベスト8がそろい始めています。だいたい順当なところに落ち着きそうです。(トルコは鼻をあかしたね)
次回はグループリーグの総括と決勝トーナメントの展望をお送りしたいと思っています。
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