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ホーム&アウェイということ 欧州チャンピオンズリーグ準決勝を4試合とも見ました。 バイエルン・ミュンヘン対レアル・マドリードはホームで無失点だったレアルが第2戦の敵地でアウェイゴールを1点奪いしたたかに決勝進出。トータルスコアは3−2。 バルセロナ対バレンシアのスペイン同士の戦いは、アウェイで大敗し、決勝進出のためには3−0以上のスコアが必要なバルセロナが力つき敗退し、バレンシアが見事に決勝進出。トータルスコアは5−3でした。 この4試合は、特にホーム&アウェイということが色濃くでた試合として印象に残りました。 2つのヨーロッパのトップレベルのチームが2回続けて戦うのなら、同じような拮抗した試合になるだろうと思ってしまいますが、さにあらず。特にバイエルン対レアルの2試合なんか、判で押したように、ホームチームが支配し、アウェイチームがカウンターを窺うというものでした。(マドリードでのバイエルンは消極的だったと言った方が正しいかな) 何でこうなってしまうのだろう、何でがっぷり四つにならないんだろう、と疑問に思ってしまいます。 以前、ペルージア時代の中田が、アウェイだととたんに腰が引けてしまう自チームを嘆いていました。 バイエルン、レアルにも同じことが当てはまるというわけではありません。むしろ、彼らは戦い方として選んでいるわけですが、下手をすると気持ちが引けてしまって悪循環になってしまうこともあるだろうと感じます。 しかし、そんなボクの心配をよそに、レアルは第1戦のホームゲームで試合を支配し、かつ相手にアウェイゴールを与えずに2−0で切り抜け、そして第2戦に敵地で虎視眈々とアウェイゴールの1点をねらい、見事に1−2で負けたのでした。(変な言い方だなー) バイエルンから見ると、アウェイの第1戦で何もできずに無得点で敗れたことが悔やまれます。 それほど、満員のスタジアムというのは想像のできないほどの力を持っているのです。 こればっかりは経験した者でないとわからないものでしょう。 ホームの選手にとっては気持ちを高め、力を与え、いつもより早く走らせ、多く走らせ、いつもより競り合いに強くさせる。 アウェイの選手にとっては、何をやってもブーイングになり、いやな気分にさせ、力を奪い、あと一歩を鈍らせ、ボールのインパクトをほんの少しずらせる。 そしてそれがわかっているからこそ、ホームにはホームの戦い方が、アウェイではアウェイの戦い方があるのです。選手もそれを言われなくてもわかっているのです。 翻ってJリーグにそういったことは起こっているか。 わずかに浦和駒場スタジアム、磐田スタジアム、鹿嶋スタジアム、日本平(清水)にあるぐらいでしょう。日本代表に至っては、ホームの強烈な後押しの中で試合することには慣れているけれども、アウェイの孤立無援状態の中で戦うことの訓練はまだまだです。 最近、ジュビロとエスパルスがアジアのカップ戦で地元チームと決勝を戦ってヒール(悪役)の役をやりながらも好成績をあげています。 こういったことを積み重ねていかないと日本は強くなっていかないでしょう。 代表は強化のためにどんどん世界各地のミニトーナメントにでるべきです。 そしてマスコミは、もっとアジアのトーナメントで成績を上げるJクラブを取り上げるべきです。アジアのトーナメントの扱いが小さいと感じます。 監督問題はさておき(議論する気にもならない)、6月のハッサン2世トーナメント(開催地:モロッコ)はそういった意味で楽しみです。初戦のフランス戦は厳しいとしても、第2戦ではジャマイカかモロッコと戦います。 是非地元モロッコとやって、悪役になってもらいたいです。 それにしてもあれほど如実にホームとアウェイでチームが変わるとは。 |