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『オヤジ』 #1

(Nov.11,2000) 


  日曜日の雨をほど、憂鬱なものはない。朝起きて、ドォ〜っと屋根を叩く音がする
ほどのどしゃ降りなら諦らめもつくが、スズメがチュンチュンと鳴けちゃうぐらいの
中途半端な小雨だと気分が滅入る。「降るんならちゃんと降れ!!」とハラワタが煮え
くり返る思いとはこのこと。
  少し落ち着くと、「ギターでも弾こう」という気持ちにもなり、買ったばかりの
フェンダーを片手に持つのだが、すると今度は雨が止んだ気がするから困る。結局、
気がつくとグラウンドへと車を走らせているのだ。・・・・・・もちろん、サッカーの話で
ある。
 
  ということで、今回から『あざみのキッカーズ』HP上でコラムを担当することに
なりました岡本です。では、簡単に自己紹介。横浜生まれ横浜育ちの25才、現在『フ
ロムエー』、『週刊宝島』、『ヤフープレス』などの媒体でレギュラーを持つ雑誌ラ
イター。キッカーズでは背番号33をつけ、右サイドを駆け上がる専門職に従事する
が、「入団したときはFWだったのに」が口癖。こんなところでしょうか。
  で、当コラムでは「あざみのキッカーズ」の練習及び試合などで感じたことを赤
裸々に告白もしくは摘発したいと思うところです。このHPには、ズバズバ日本サッ
カーを斬っている石橋氏のコラムも連載中だが、それとは全く異質な、軽いタッチの
切り口で望んでいきたい。ひとつよろしく。
 
  そんなこんなで、今回のお題は「オヤジ」。
岡本がキッカーズに入ってもう6年。初めてグラウンドへ来たときの印象は「オヤジ
ばっかじゃん」だった(と思う)。ピッチ上を埋め尽くすオヤジ。水道場へ群がるオ
ヤジ。岡本的には拍子抜け、完全にナメナメ状態だった(と思う)。しか〜し、ミニ
ゲームが始まった途端、さっきまでダラダラとくっちゃべっていたオヤジたちが、眼
光するどいサッカー選手へと変わった(と思う)。重心の低いディフェンスでFWを
驚愕させる国方さん、正確なミドルフィードでゲームを作る薮内さん、豊富な運動量
を誇るキッカーズのダービッツこと登内さんなどなど(他にもたくさんいますが、書
ききれないので・・・)。高校の3年間、サッカーをやっていなかった岡本には、強烈す
ぎるカウンターパンチ。一瞬にしてノックアウトだ。(実際にはソコソコついていけ
てたと思うけど・・・)
  本当の驚きはココから。あれから6年もたっているのに、いまだ現役で、当時のま
まプレーできていること。これはスゴイ。見習いたい手本であり、人生の目標でもあ
る。しかしながら現在の岡本は、社会人になったせいか(いきなり言い訳)、腹に贅
肉がつき、プレーに切れがなくなっている(これだけは言っておく。アイディアはあ
る! 体がいうことを聞かないだけ!)。しかも、若手の台頭もあり、ポジションすら
危ない状況。DF転向か、こりゃ。
  さておき、このオヤジたちとの出会いで、確実かつ明快に将来のビジョンが描け
た。我が人生にとって重大な出会いであったと思う。『継続は力なり』を目の当りに
する機会を与えてもらっただけでもキッカーズに感謝。
  あっ、そうそう、忘れていた冒頭の続きを。
グラウンドに着いたが誰もいない。あるのは水溜まりだけ。窓の外には大粒の雨が
延々と降り続いている。こんな光景を6年間で十数回経験しているオレって・・・・・・。

 

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