(68) イラン戦の見所―ゲームプランと終わらせ方― (Mar.21,2005) |
イラン戦の見所―ゲームプランと終わらせ方― 今回の3月2連戦はとても重要だとメディアは言っている。特にイラン戦は大一番という位置づけのようだ。もちろんそのとおり。アウェーでイランをねじ伏せれば、続くバーレーン戦に気持ちよく臨めるというもんだ。理想はそうなんだけど、でも現実はそんなに甘くない。だいたい勝たなければ絶望なのかというとそういうわけではない。 イラン戦の見所は、試合をどう進めていくのか、そしてどう終わらせるのかという点にあると思っている。試合の進め方をチームで統一し、虎視眈々とチャンスを狙い、思い通りのゲームプランができるかだ。そのゲームプランは昨年のアウェーでのオマーン戦の再現が理想的だ。 シュート数は相手が倍放っていた。中盤も支配されていた。それでも崩されていないし、動じるそぶりも一切無かった。そして一撃必殺のゴールが鈴木によってもたらされた。「こういう試合をしようとして、実際やりました。」涼しい顔でマスカットを去っていく日本代表。 押されているのに負ける気がしない。ゲームはコントロールしている。そういう試合をしてほしい。今のチームは1−0で勝つ方法を知っている(イタリアみたいでいやだ?でもそれはとても心強いことでもある)。 さて、問題はゲームプランが狂った場合だ。特に、1点ビハインドや同点で残り5分になったときだ。 このときどうするのか、同点を狙って、あるいは勝ち越しを狙って遮二無二行くのか。アウェーでイラン相手なんだから行く必要がないんじゃないかという意見もある。後のことを考えれば、むやみに点を取りに行って、カウンターで与えてはいけない追加点を与えるなんてことになったら、それこそショックが大きい。 0−1なら、相手が引いているだろうから、当然同点を狙ってラッシュする。ただし、バランスを崩しては絶対にいけない。 同点なら、相手が勝ち越しを狙ってラッシュしてくるだろうから、きちんと自陣に要塞を築き上げ(でも下がりすぎてはダメ!)、自分たちのカウンターの時は人数をかけなくていい。つまり引き分けで良しとする。 大事なのは、そういった状況で、ベンチとピッチが同じ考えを持ってゲームを終わらせることだ。行くなら行く。これで良しとするならリスクは負わない。ハッキリすることが重要なのではないだろうか。 一番避けてほしいこと、それは終了間際に痛恨の失点をすること。 この点についてはフランス大会の予選、国立での韓国戦の逆転負けを教訓にしなければいけない。自分たちがゴールしてから浮き足立って(特にベンチが)、連続失点を浴びてしまった。 ベンチが迷わないこと。シンプルな指示を出すこと。その方針を選手全員が理解し、ゲームを進めること。そして、選手たちが納得して試合を終わらせること。それができるかどうかがイラン戦の一番の見所だ。自ずとジーコの交代策の重要度もすごく高い。 とにかくイランは強いと言われている。マハダビキアだ、カリミだ、ダエイだ、アジジだ、と個人の力でゴリゴリ来るんだろうな、きっと。でもパスワークがある方じゃないから、1対1で自由にさせなければ勝つチャンスはけっこうあるような気もするんだけど(上で言ってることと矛盾してるなぁ)。 3−5−2でも4−4−2でもいいです。華麗なプレーはなくてもいい。魂を込めて戦う。目の前の相手を仕留める。これだけを念じてTVの前で応援しよう。そして納得ずくの試合をしてもらおう。キーマンはマハダビキアと対峙する三浦淳と、カリミを見張るボランチ2人だ。頼むよ!! ![]() |