世界は強いね
完敗でした。0−5。
俊輔は「善戦できるかもしれないけど、ボコボコにされることも覚悟しないと」と言ってましたが、そんな予言が当たろうとは。
アジアカップでトルシエ日本を絶賛して私ですが、決して有頂天になったつもりはないのだけど、ちと反省しております。
でも、こういう見方もしています。あのフランスに勝てるチームはそうそうないよ、と。互角に戦えるチームはアルゼンチンぐらいでしょう。ヨーロッパにはいないと思いますよ。ユーロ2000がそうだったでしょ。
出場選手で知らない選手いないもんね。おまけに中心選手はそのまま世界をリードしているクラブチームの中心選手なんだ。ジダン・トレゼゲ=ユベントス、アンリ・ビエイラ・ビルトール・ピレス=アーセナル、デサイー・ルブフ=チェルシー、リザラズ=バイエルン、カンデラ=ローマ(中田の僚友だ)、言い出したらキリないな。
この試合で一番感じたのは、フィジカルの違い。
ピッチコンディションが良ければもう少しましなゲームができただろうと言う意見には賛成します。つまり、重馬場が故にフィジカルの差が如実にでたからです(戦えていたのは中田だけ、あいつはすごいな、ホントに)。
フィジカルで劣勢になると、技術がぶれます。ボールコントロールがぶれると組織が後手後手にまわります。フランスはあのピッチコンディションでもまったく身体がぶれずにしっかりとボールをコントロールし、きちっとパスを回せていました。この差はなかなか詰まらないね。日本の梅雨が恨めしいな。2002年、空梅雨になることを祈るよ。
もう一つ感じたことは、そう、フラット3をどうするのかということです。フラット3そのものを否定するつもりはないし(攻撃的なサッカーをやろうとしているのだから)、これはこれで立派に機能すると思います。ある程度は。
でも、崩されているとわかっている状況で、守備のオプションがまったくないという状況は困ります。
昨年暮れの日韓戦で、後半半ばから4バックにシフトしたことがありましたが、その辺のトレーニングを積んでいるのかが心配です。
その準備はありながら、あえて、日本のスタイルがどこまで通用するのかを計るためにフラット3にこだわったのならわかります。
フランス戦を終えて、DF陣だけでなくチーム全体に守備のオプションをどうするのか、という疑問が支配的になったことでしょう。トルシエはこの疑問にすぐ答えなければいけないと思います。
フランスはこのあとアウェーでスペインとテストマッチを行います。そして日本はやはりアウェーでスペインとやります(4月下旬)。スペインは、リーグ戦こそ「世界最高のリーグ」という称号をイタリアからもぎ取らんばかりの勢いがありますが、代表はそれほどのインパクトを持っていません(そうは言っても一流です)。この三つどもえのテストマッチで日本の現状が裸にされるわけです。そしてそこで明らかになった課題を克服することがこの1年の仕事になるのでしょう。
でも、こうやってアウェーの厳しい試合を数多くこなすことで鍛えられていくんだろうな。
ただ、トルシエにやって欲しくないことがあります。
それは、1996年の加茂さんの轍を踏まないでほしいということです。1997年のフランスW杯予選を前にして、この年加茂ジャパンはアジアカップに臨みました。そこで、4バックのラインディフェンスを完全に破られてしまい、チーム作りは一から出直しになりました。重要な予選を半年後に控えた時点でです。加茂さんの苦悩はこのときから始まり、ついに予選の重要局面(カザフスタンでの更迭)を迎えたのです。
あのシナリオは最悪です。
だからトルシエには今までの路線を急変更することだけはやめて欲しい。ここまで積み上げてきたことに肉付けをする形で課題を克服して欲しいと、言いたいです。でないと選手も納得しないでしょう。
スペイン戦はどうなることやら。楽しみでもあり、不安でもあり。
|