Last update 1999/09/04.

●右の涙腺、左の涙腺

8月の後半は2本の野外ライブを観た。
1つは29日に横浜の本牧で行われた「 本牧ジャズ祭」。
もう1つは、30日から31日にかけての24時間にわたって河口湖畔で行われた 「水木一郎1000曲ライブ」である。

本牧ジャズ祭のほうは2年ぶり2度目の参加。
一緒に参加したのは、僕が参加しているバンド「ジャガンマ」と その友達の面々。
例年、8月末の日曜日に本牧の市民野球場で行われるイベントだ。
野外ライブということもあって、通常の「ライブ」というものとは趣きを異にする。
座席はなく、各自はグループになってバベキューを楽しんだりしている。
演奏を楽しみたい人は、メインステージか、または反対側に設けられたサブステージに 行って 立ち見でステージを観るという、かなり自由なイベントである。

通常、午後1時くらいから8時くらいまで、バンド数にすると、メインステージ、 サブステージ合わせて7〜8組ほどが出演する。
今年まともに観たのは2バンド。
あとは「炭焼き職人」となりバーベキューの火種となる炭を育てることに専念していた。
そうそう、食べることにも。

「ちゃんと観た」バンドの1つ「Ponta Box」は、今年のジャズ祭お目当ての バンドだった。
メンバーはドラムに村上"Ponta"秀一氏、ピアノ佐山雅弘氏、 ベースにバカボン鈴木氏。
このバンドの凄さは耳にしていたものの、生で聴くのは初めて(ビデオで演奏を 観たことはある)。
その凄さは「瞳孔が開きっぱなし」になるような演奏であった。

自分でもナゼだかは解らないが、本編終了後、アンコールに応えて演奏してくれた バラードで左目から涙が滲んだ。
それには「感動」とは別の感情があった気がする。 これは自分にも解らず終いだった。

翌30日は「水木一郎1000曲ライブ」のため、シゴトを終え、 河口湖ステラシアターへ。
このライブはフジテレビ「快進撃TVうたえモン」の企画によるもので、 入場は無料。
事前にハガキで応募し、会場のキャパシティである3000名まで入場できる。

水木一郎を知らない人のために説明すると、70年代から現在に掛けてまでの アニメ、特撮モノの主題歌を数多く歌っている人だ。
代表的なところでは「マジンガーZ」「グレートマジンガー」の マジンガーもの(グレンダイザーは、ささきいさお氏)、 「キカイダー」シリーズ、「イナズマン」「アクマイザー3」 「カゲスター」「忍者キャプター」など、枚挙に暇がない。 (本当にキリがないのでこの辺でやめる)。
下のロボコンも水木氏の歌だ。
おそらく20代中盤から30代の人は、何かしら水木氏の歌声を耳にしているハズである。

このライブでは、30年間、1000曲以上にも及ぶ水木氏のレパートリーを24時間で歌いきる、 という恐るべき企画である。
24時間は、1時間=60分×24時間で1440分しかない。 1000曲を24時間で歌うには、1曲あたりおよそ1分40秒!!コレはツラい。
しかも24時間連続で歌い続けるには、体力、精神力の問題も避けられないし、何より 喉が続かない。
見に行く前から「別に1000曲行かなくてもいいや」という思いであった。 自分としては、幼い頃に聴いて育った数々の名曲が聴ければ良いのだ。

30日夜8時、会場に到着。既に演奏は始まっていた。この時点で4曲消化。
水木氏は後ろにバックバンドを従えている。
バンドマンとして、はじめに思ったのが「水木氏もツラいが、バンドもツラいなぁ」 ということだった。 4バンドくらいでローテーションして演奏しなければ、とてもじゃないが続かないだろう。
こちらの心配をよそに、ドラムなんかガンガン飛ばす。しかし、これも杞憂に終わる。 オープニングのバンドは、イベントのスタートと、翌日のテレビ収録の時の、それぞれ 1時間程を演奏するのだ。
それ以外は、カラオケと水木氏の門下生によるバンドによる演奏で進行していった。
実際のところ、生バンドを従えての演奏は24時間中4〜5時間だったと思う。

入場の際、曲目リストを渡されたが、そこには曲がギッシリ。
1000曲全て違う曲を歌う訳ではなく、前述したような人気曲は、何回か演奏される。
こういったセットメニューは、途中、入退場する観客への考慮だろう。
リストを見て思ったのが、レパートリーの幅の広さ。
アニメ/特撮ソング以外にも、ロック/ポップスのスタンダートナンバー、氏がかつて 担当したCMソング、ミュージカル出演時に歌われた曲、童謡までも含まれている。

ライブは進行し、途中、水木氏も本当にツラそうな時期が何度かあったようだ。
自ら、ギターを弾き語ることで、左手がつる、立って熱唱するすることが多いので、 足もつる。
しかし、その声だけは衰えることがなかった。
自分自身も、なるべく寝ない(絶対寝ない、といえないあたり情けない..) 心構えであったが、寝ていないカラダに子守り歌やバラードはこたえる..
何度か眠りにオチてしまった。

出演者、スタッフ、観客にとって過酷な24時間が過ぎようというころ、「うたえモン」の 中継が入る。
遂に1000曲まで10曲あまりを残すのみとなった。
中継の最中も水木氏、最後の熱唱は続く。 998曲目、「コン・バトラーVのテーマ」のイントロが流れた時だ。 ナゼか左目から涙が流れる
っぶい!っぶい!っぶい!びくとりーっ!
(おぉ何でだ?なぜコン・バトラーで俺が泣かなきゃイカンのだ?泣くなら (快傑)ズバットのエンディングとかだろ。)
続いて「超人バロム1」でも涙が止まることはない。
涙を流しながらも「マッハロッドでぶろろろー、ぶろろろー、 ぶろろろーぉっ!ってそりゃあんまりな歌詞だよなぁ。」 などの想いを巡らせる。

そして遂に1000曲目。
1000曲目に演奏されたのは、まったく予想外の「おれはグレートマジンガー」 であった。
っおれは、涙を流さない、だ・だっ・だぁ!」 (おー俺はもーこんなに泣いちゃってるよぉー。 でも最後は「(マジンガー)」じゃぁないの?)
結局、会場大盛り上がり、大合唱の中、998曲目の「コン・バトラーV」から ゼンゼン歌うことが出来なかった
番組もフィナーレを迎え、1001曲目ということで歌われたのが「マジンガーZ のテーマ」。
この時はもう人目をはばからず泣いた。鼻をすすった。
はぁっしゃぁ、めいちゅう、ミサイルパンチぃー」(2番)
ミサイルパンチなんてマイナーな技、主題歌に出すなんて、やって くれるよなぁ..)

これらヒーローものの主題歌を聴いて、ナゼ泣けたのかは解らなかった。
24時間1000曲ライブという偉業を目の当たりにしたからなのか、水木氏の不屈の精神に 感銘したからなのか、やっぱヒーローものの主題歌が「愛」と「正義」と「平和」を 訴える、スバらしい曲だからなのか。

唯一解ったことと云えば、トシのせいか涙腺が弱くなったことと、自分は、右目より 左目の方が涙が出やすい、ということだった。


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