Last update 1998/02/22.

テクニックについて考えてみる

物事なんでもそうですけど、ある目的を達成するための手段ってのがあります。
音楽でいうと、音楽を演奏したいために楽器や歌という手段で音楽に参加する わけです。
手段にも幾つも道があって、モノを叩いて空気を震わせたり(アコースティックな 楽器はすべてこの範疇だと思います)、声を出したりして音を発生させて、 出てきた音を心地よく調整していったのが音楽だと思うんです。

で、音を出すのに、より心地よい音の出し方ってのがあって、Aさんがドンとモノを 叩いて出した音よりBさんが同じモノを叩いて出した音が「心地よい」と 感じた人が多いと、Bさんは「よい音を出す技術を持った人」となるわけです。 言い換えれば、Bさんは「テクニックがある人」ですね。
じゃぁ、Aさんの立場がありませんが、Aさんの出す音は、たまたま多くの人には 受け容れられなかった、というだけだと思うんです。
決して「Aさんの音が(絶対的に)悪い」わけではないんですよねぇ。
中には「Aさんの出す音が良い」と感じる人もいるかもしれません。

これは僕自身もすごく勘違いしやすくて、Bさんを肯定し、Aさんを否定して しまう傾向にあります。
確かに、Bさんの音がマッチする音楽の方が多いかも知れません。
けど、表現する音楽によっては、Aさんの出す音がガッチリ合うこともあるかも しれません。
そうなると、単にBさんを肯定し、Aさんを否定するのは間違いってことになると 思います。
要は、技術のあるないだけで、プレイしている人を肯定、否定すべきでないと 思うのです。

僕もこう思うようになったのは、ここ最近という気がします。
この数年、また本格的にバンド活動をするようになって、アマチュアバンド中心の ライブハウスを見聴きすることが増えました。
出ている人たちも、何年も音楽を演奏している人たちばかりですから、 「一般的に云う技術」がゼンゼンない、という人たちはいません。
しかしいわゆる、「あまり巧くない」人でも、演奏している音楽には 欠かせないような存在感を出す人もいます。
逆に、リハーサルでのサウンドチェックなんかで"技術的に"「おお、こりゃ巧めぇ!」 と思うような人もいて、けどいざバンドの演奏を聴くと、なんかスゴいだけで ツマらない。 テクニックの無駄遣いってカンジの人たちもいます。
こういう人たちって"テクニックのために"音楽を演ってるような気がして なりません。

はじめの方にも書きましたが、手段が目的を超えてしまってはいけない、 と思うんですよ。とくに音楽では。
乱暴な云い方をしちゃうと、自分やバンドで表現できるだけのテクニックを 持っていればそれで十分じゃあないでしょうか。

ちょっと矛盾するようですが、一般的に云われる"テクニック"って、大多数の人に 共通する方法論だと思うので、それをハナから無視するのもどうかと思います。
基本的な技術(コレも定義がムズかしいけど)はまず身に付けてから、必要な技術を いろいろ足していけば、いいような気がします。

"一般的な技術"がチョット劣っているという人でも、ちゃんと(自分の)音楽を 表現できている人って「ウマい」と思いますし、いわゆる「ヘタ」といわれている ミュージシャンでも上手なところはちゃんとあると思います。
技術もしっかりしていて、なおかつ、音楽にフィットする演奏ができる、というのが 理想ですが、なかなか上手くいかないモンです。