モータースポーツファンにはあまりに有名な1998年全日本GT選手権での事故。
その事故に巻き込まれたのが本書の著者である太田選手であった。
内容は、事故で瀕死の(本当に瀕死の)重症を負った太田氏が、人間として、レーシング
ドライバーとして復帰を目指す様子を描いている。
こう書くととても平たい表現でしかないが、復帰までの道のりがあまりに過酷で他に表現の仕様がない。
太田氏が復帰していく過程は、雑誌の「Tipo」掲載の氏のエッセイ「KEEP ON RACING」で毎月
紹介されていたが、こうして改めて見ると人生の過酷さ、残酷さを思い知らされる。
事故は不幸な偶然が重なり、万人に確率的に発生し得るものだと思うが、
自分の身に置き換えると、凡人な自分は太田氏の様に障害を克服できるものかまったく自信がない。
現在の太田氏は、アマチュアのレースながらサーキットを走行できるレベルまでに回復しており
(しかも、その辺のアマチュアよりぜんぜん速いタイム)、今年の夏にはこの本のドキュメント映画も
公開されるという。
クルマやレースに興味のない人にもぜひぜひ読んで頂きたい一冊。