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Last update 2004/03/08.


2003年

遺言(文春文庫)
川上哲治・著
野球モノ続きます。
私たちの僅かな記憶では川上哲治は巨人軍の「選手」ではなく「監督」だった。
氏が選手として活躍していたのは戦前から戦後にかけての年代なので選手時代を 知らないのは尤もなことである。
しかし初の2000本安打、終身打率0.313(王=0.301、長嶋=0.303)の大打者であることは 伝説としては知っていた。
本書は、現在の野球界への川上氏の提言である。
印象的なのは、2003年で83歳という高齢ながら、考え方がまったく"年寄り臭くない"ことだ。
巨人V9時代、管理野球の礎を築いた人物としるだけに、もっと頑固と思っていた。意外だった。
野球界に対する提言ではあるが、人生訓としても読める一冊。

評価(5点満点):■■■■□

[2004/03/08]

元・巨人(廣済堂文庫)
矢崎良一・著
これまた愛読傾向の高い野球モノ。
巨人といえば野球ファンにとって日本一の人気球団だ。
また、昔から金田、張本、近年では落合、清原などが入団し、選手自身にとっても "巨人ブランド"は憧れである。
他チームの一線級やゴールデン・ルーキーが毎年巨人に入団する一方、巨人を"出される" 選手がいる事もまた事実だ。
本書では、巨人を「出された者」(駒田選手以外は)からの視点で、巨人とは何だったのかを 描き出している。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/03/08]

太平洋戦争がよくわかる本(PHP文庫)
太平洋戦争研究会・著
これまで私が読んでいる本の傾向をご覧頂ければお解かりになると思うが、またも戦争モノである。
この本では、1941年から1945年まで主に日本とアメリカの間で戦われた、太平洋戦争について、 20ポイント疑問とそれに対する回答という形でまとめられたもの。
このテの戦史研究モノは比較的難しいテーマで書かれているものが多いが、20ポイントの疑問も ポイントを絞ったものだし、ひじょうに解り易い。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/03/08]

ベルリン飛行指令(新潮文庫)
佐々木譲・著
舞台は第2次世界大戦中。
当時日本の最新鋭機であった零式艦上戦闘機「ゼロ戦」を日本からドイツまで空輸する 使命を帯びた冒険小説。
日本からドイツまではユーラシア大陸経由で運ぶ計画だが、敵味方入り乱れるWW2当時の 複雑な世界情勢も描かれている。

少し残念なのが、実際にゼロ戦を空輸するまでのストーリー(計画段階)が長く、 はじめから中盤まで、やや間延びしてしまう印象がある点。 (計画自体はよく練られているとは思うが。)
「本当にこんなことがあったかも」とロマンを馳せることができる。
ゼロ戦好き、飛行好きには面白く読める一冊。

評価(5点満点):■■■■□

[2004/02/15]

山嵐(集英社文庫)
今野敏・著
「姿三四郎」といえば私が子供の頃、勝野洋主演でテレビドラマ化されていたものが印象に残っている。
三四郎の得意技「山嵐」で、良く真似していたものだ。(こっそり悪い子供だった。)

本書は姿三四郎のモデルになった「西郷四郎」の物語で、明治時代初期の日本の激動期を 柔道を通じて描いている。
個人的には今「明治時代」が"キて"いるので、明治時代の人のまだ硬派な考え方も 良く伝わってきて興味深かった。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/02/15]

地上最強のアメリカ陸軍特殊部隊(講談社+α文庫)
三島瑞穂・著
近年の同時多発テロ、イラク戦争などによって「特殊部隊」の存在はかなりオープンなものになっている。
その特殊部隊の中で旧くから名が知られているのは米陸軍の「グリーンベレー」だろう。
本書は、日本人唯一のグリーンベレー入隊者で「水中作戦隊隊長」となった三島氏の著作である。
氏はベトナム戦争当時、グリーンベレー隊員として参戦、60歳を過ぎた今も予備役として アメリカに在住している。

本書では、現在の戦争と特殊部隊の役割、戦術についての解説、後半部分は筆者のグリーンベレー 当時の体験をまじえながら、グリーンベレーという部隊の特殊性について紹介している。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/02/15]

流血の魔術 最強の演技〜すべてのプロレスはショーである(講談社+α文庫)
ミスター高橋・著
本当のことを云うと、この本は読まなければよかったとも思う..
小学生から高校生、大学生くらいまで、プロレスファンであった私には、本書で暴露される 「プロレス」の裏話を知らない方が良かったかもしれない。
いや、物心ついた頃から「まさか本気じゃないよな..」とは思っていても、それを 関係者から白日の下に曝してほしくなかった、というのはある。

しかし今、総合格闘技にプロレスラーが出場してもほぼ勝つことはなく、 「プロレス最強論」は全く説得力を持たない。
こういう時代だからこそ、著者のミスター高橋氏(氏は新日本プロレスのレフェリー)は 敢えてこの本を著したのだろう。

私は、今はプロレス中継を見ることはまったくなくなってしまった。
K1、総合格闘技などのリアルファイトが隆盛を極めていることももちろんあるが、 「本書を読んでしまった」という「シラケ」もあるかもしれない。

評価(5点満点):■■■■□

[2004/02/15]

こう戦えば勝てた 世界の会戦(中公文庫)
柘植久慶・著
"柘植先生"の著作としてはおなじみの会戦研究モノ。
日本の合戦をテーマにした同様の本があったが、本書では世界の合戦をテーマにしている。
内容は紀元前216年のカンナエ会戦から、1953年のディエンビエンフーの防衛戦("前進か死か"の 舞台)まで15の歴史的な会戦について、その戦術を解説している。

本書については「読み物」というより「研究本」という位置づけなので評価的には並。
しかし索引も付いており、資料としての価値は高。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/02/15]

前進か 死か(中公文庫)
柘植久慶・著
舞台は1950年代のベトナム旧日本軍の将校だった主人公は、終戦後、ベトナムで 農園経営などを行って暮らすが、動乱のベトナム国内での内乱で家庭を喪い、一転、 フランス外人部隊に入隊することとなる..

ひさびさに読んだ"柘植先生"のフィクションもの。
ハードカバー発売時から目を付けていて、文庫化を待って読破。
うーん、ただ個人的大名作「最後の遭遇」には及ばず並みの評価で。
先生、すいません。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/02/15]

ミッドナイトイーグル(文春文庫)
高嶋哲夫・著
なかなかスケールの大きなアクションサスペンス。
米空軍のステルス爆撃機が冬の北アルプスに墜落、それをめぐって、米軍、自衛隊、北朝鮮工作員、 ジャーナリストが絡み合う。
雪山の描写は「寒そう・疲れそう・辛そう」の三重苦で「ホワイトアウト」を少し彷彿とさせる。

スケールの大きさをよくまとめていると思うが、プロット的にはこのテの国際謀略モノは、やや 新鮮味に欠けるか..?

評価(5点満点):■■■□□

[2004/02/15]

黒い童謡(角川ホラー文庫)
長坂秀佳・著
ひさびさのミステリーもの。
内容は旧くからある童謡をモチーフにした4編の短編小説集。
個人的にはもうちょっとドロドロしたものを期待していたので..

評価(5点満点):■■□□□

[2004/02/15]

適者生存(幻冬舎文庫)
長谷川滋利・著
野球本3連発。(実際はこの順番で読んでないと思うけど。)
今では御存知の方も多いと思うが、現シアトルマリナーズの長谷川投手の自筆本である。
大多数のプロ野球ファンが思ったことだろうが、私も元オリックスの長谷川という投手が メジャーリーグでここまで活躍できるだろうとは思わなかった。
しかし、彼はアメリカ、メジャーリーグでの「適応力」を武器にオールスターに出場できる 選手まで登りつめた。
野球選手という職業だけではないが、人間にとって「バランス感覚」というのは とても重要なのだと実感できる。

評価(5点満点):■■■■□

[2004/02/15]

サムライたちのプロ野球(講談社+α新書)
豊田泰光・著
またも野球本で恐縮だが好きだから仕方ない。
プロ野球の人気凋落が叫ばれて久しいが、本書は「西鉄ライオンズ」の名二番打者、豊田泰光氏の 「提言」である。
辛口の豊田氏らしく、現在のプロ野球を取り巻く環境について、苦言を呈していたり、 実名を挙げての批判も辞さない。

フジテレビで長らく放映されていた「プロ野球ニュース」に代わって、現在は「すぽると」という 番組になっているが、何故豊田氏が出ていないのかも解ったりはする。

評価(5点満点):■■■□□

[2004/02/15]

真っ向勝負のスローカーブ(新潮新書)
星野伸之・著
2002年に惜しくも引退してしまったが、オリックス・ブルーウェーブ(阪急ブレーブス)、阪神タイガースと 活躍した星野伸之は大好きな投手であった。
星野投手というと"鶴"を思わせるような細身で、ゆったりとしたフォームから繰り出されるのは.. 「超」スローカーブ。 その90km程度のボールにタイミングを狂わされクルクルと空振りする一流打者、という図式が 痛快であった。
この「超」スローカーブと、120km台の「速球」で、引退するまでの19年間で通算176勝、2041奪三振という素晴らしい成績を挙げた。
本書では、その星野投手ならではの投球術、名バッターたちとの勝負などについて語られている。
面白かった。
こういう投手がまた出てきてくれないものだろうか。

評価(5点満点):■■■■□

[2004/02/15]

オタクの迷い道(文春文庫)
岡田斗司夫・著
前に岡田氏の著書で「オタク学入門」という作品を読んだことがあった。 「オタク学入門」は今でもたまに読み返してしまうほどだ。
「オタク学入門」は特撮、アニメなどテーマ別にオタク的な視点を解析するもの であったが、本書は「オタクの生態」をエッセイ形式で綴ったもの。
エッセイの中でもシリーズ化しているが、 フランス人オタクの"セバスチャン"ってのはすごい..

評価(5点満点):■■□□□

[2003/06/10]

クラッシュ(幻冬舎文庫)
太田哲也・著
モータースポーツファンにはあまりに有名な1998年全日本GT選手権での事故。
その事故に巻き込まれたのが本書の著者である太田選手であった。
内容は、事故で瀕死の(本当に瀕死の)重症を負った太田氏が、人間として、レーシング ドライバーとして復帰を目指す様子を描いている。

こう書くととても平たい表現でしかないが、復帰までの道のりがあまりに過酷で他に表現の仕様がない。

太田氏が復帰していく過程は、雑誌の「Tipo」掲載の氏のエッセイ「KEEP ON RACING」で毎月 紹介されていたが、こうして改めて見ると人生の過酷さ、残酷さを思い知らされる。
事故は不幸な偶然が重なり、万人に確率的に発生し得るものだと思うが、 自分の身に置き換えると、凡人な自分は太田氏の様に障害を克服できるものかまったく自信がない。

現在の太田氏は、アマチュアのレースながらサーキットを走行できるレベルまでに回復しており (しかも、その辺のアマチュアよりぜんぜん速いタイム)、今年の夏にはこの本のドキュメント映画も 公開されるという。

クルマやレースに興味のない人にもぜひぜひ読んで頂きたい一冊。

評価(5点満点):■■■■■

[2003/06/10]

空想科学大学(宝島社文庫)
江田康和・著
すいません、また趣味です..
このテの「空想科学モノ」の先駆けは柳田理科男氏であるが、この著者は別の方。
文庫版で、かつ扱っている作品数も多いので、一つ一つの検証内容については薄めだが、 ダイジェスト的に読めて良い。
このテとしては珍しく、「キャンディ・キャンディ」や「ドラえもん」「パーマン」など いわゆる"ヒーローもの"以外にも検証が及んでいるのが斬新なところ。

電車で読んでいて笑いをこらるのに苦労した。(っつーか笑ってた。)

評価(5点満点):■■■□□

[2003/06/10]

「分かりやすい説明」の技術(講談社ブルーバックス)
藤沢晃治・著
下の「わかりやすい表現」の第2弾。もう連続して読んだ。
今日本で一番「わかりやすさについてわかっている男」と云ってもいいだろう。(この表現が既にわかりずらい)
「表現」は主に「表示系」のわかりにくさをわかりやすくするテーマだったが、こちらは「説明」など 主に話し言葉のわかりにくさ->わかりやすさについて著したものである。

しかし政治家とかの発言ってストレートじゃないんだよなぁ。
というかわざとわかり難い表現で事態を曖昧にしてしている。
「誠に遺憾に存じます」とか「前向きに善処します」って何だよ。
「チョームカつく」「何々する鴨」の方がわかりやすい。(うそうそ。)

評価(5点満点):■■■□□

[2003/06/10]

「分かりやすい表現」の技術(講談社ブルーバックス)
藤沢晃治・著
このくらいの歳(社会人歴12,3年)ともなると、いろいろと表立って「レビュー」や 「プレゼンテーション」をやらねばならなくなる。
これが毎回悩むのである。小手先技が好きなのでアニメーションとか使って誤魔化すのだが、どうしたら 良い資料ができるのか、今ひとつピンと来ない。

またこのぺージにしたってそうだ。
いちおう意識して、行間を少し広めに取ってみたりしているのだが、肝心の文章は殆ど語り口みたいなもん。
私の意図していることがじゅうぶん皆さんに伝わっていないかもしれない..

そんな悩みもあり、書店で手にしたのがこの本。
巷に溢れるわかりにくい標識や案内板、表現などが「なぜわかりにくいか」 「どうすれば、わかりやすくなるか」紹介されている。
本の厚さもないし、確かに文章自体「わかりやすい」のですぐに読めてしまう。

これでこのページも「わかりやすく」なるはずなのだが..

評価(5点満点):■■■□□

[2003/06/10]

巨大ロボット読本(宝島社文庫)
空想科学漫画研究所・編
連続で宝島文庫。
間に何か読んでたと思ったが忘れちゃった..すいません、これは完全に趣味です。
鉄人28号」から「絵ヴぇン下痢音」(<-変換したらこう出た。IME2000ってばまったく..)、いや「エヴァンゲリオン」まで、巨大ロボットの進化論について纏められたもの。
登場メカは「鉄人28号」「マジンガーZ」「ゲッターロボ」「機動戦士ガンダム」「エヴァンゲリオン」。
どれもこれも革新的な巨大ロボである。「鉄人」と「エヴァ」以外はすべてリアルタイムで見てるし。

内容はこれらロボの存在自体と活躍の背景を結構哲学的に掘り下げているもの。
まぁ内容も文章も好みなんで。

評価(5点満点):■■■□□

[2003/06/10]

【永久保存版】伝説の打線(宝島社文庫)
別冊宝島編集部・編
ついつい買ってしまう黄色い背の宝島文庫。
同文庫には野球モノも結構あって、これもそんな中の1冊。
タイトルどおり、長いプロ野球の歴史の中で、セ・パ12球団の「これは!」と 思える打線について纏められている。
超高バランスだった巨人V9打線をはじめ、'85年の阪神猛虎打線、近鉄いてまえ打線、 オリックスのブルーサンダー打線、..
しかし昔の「打線名」は強烈なのが多くて、大毎の「ミサイル打線」や松竹の「水爆打線」なんてのも あった。
さいきんの横浜の「マシンガン打線」などかわいいものである。

気になる我がヤクルト・スワローズは最近、2001年の時の打線。
記憶に新しいし、まぁ悪くないが、個人的には14年ぶりの優勝時1992年のハウエル、広沢、池山の打線か、 1995年のオマリー在籍時の打線が好きだ。(何とロッテから来たミューレンが恐怖の8番打者だった。)

あ、本書と話が違ってきたが、プロ野球歴代の「打線」について改めて思いを馳せた感じ。

評価(5点満点):■■■□□

[2003/06/10]

アタシはバイクで旅に出る2(笊カ庫)
国井律子・著
昨年も読んだ 国井律子嬢の紀行記第2弾。
内容的には第1弾と同様だが、今回はハワイのツーリングなどより行動範囲が拡がっているのが特徴だ。
2回目にして海外ということは、第3弾は北アメリカ大陸横断でもせにゃならんのではないか。
評価(5点満点):■■■□□

[2003/06/10]

Twelve Y.O.(講談社文庫)
福井晴敏・著
内容についての予備知識がなく読んだが驚いた。
前出の「亡国のイージス」の「壮大な前フリ」という感じで、物語中に出てくるキーワードが 「亡国」にも出現する。また「亡国」で「何故そうなっていたのか?」の謎解きになっている。
また登場人物も(1)挫折してしまったオヤジ、(2)影のある特殊工作員の少年少女、 (3)物語の鍵を握る特殊工作員(しかも少女と何らかの関連あり)と、ほぼ一緒じゃん、 とも思えるが..

本来は発表順に、「Twelve」->「亡国」と読破すれば結構すっきり読み進められると思う。

評価(5点満点):■■■□□

[2003/02/11]

亡国のイージス(上・下)(講談社文庫)
福井晴敏・著
「イージス」とはギリシャ神話の神が持っていた、すべての攻撃をはね退けることができる楯のことだ。
そして、今「イージス」と云えば、しばしばニュースでも話題となる海上自衛隊の「イージス艦」が 頭に浮かぶ。

物語は海上自衛隊のイージス艦(実際はミニ・イージスシステムを持った艦)「いそかぜ」が占拠され、 政府に対して叛乱を企てる。
上下巻あわせて1000ページほどあるが、引き込まれて読んでしまう。正直、前半部は登場人物をパラレルに 描くので話のつながりが見えてこないが、後半、それらがすべて伏線になっていて、前半の苦痛?も 解消される仕組み。
さすがに「日本推理作家協会賞」「日本冒険小説協会大賞」「大藪春彦賞」の トリプル受賞作だ。
ラストはちょっと呆気ない気もしたが、読了後、ささやかな感動があったのも事実。
長いのが苦にならない方にはオススメ。

評価(5点満点):■■■■□

[2003/02/11]