[読書感想トップへ:1つ上へ]
Last update 2003/02/11.

2002年

話を聞かない男、地図が読めない女(主婦の友社)
アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ・著/藤井留美・訳
超有名なベストセラーなので改めて説明の必要もないほど。
発売当初からたいへん気になっていたのだが、このほど文庫化されるのを待って購入。
ワタクシは男なのですが、思い当たるフシが幾つもあった。
例えばクルマを運転していて、知らない場所で目的地を探すときはステレオをオフするし、 電話で話をするときもTVは消音に..音楽聴きながらでは、物事に集中できません。
クルマを運転している時にいろいろ話されても、あまり覚えてないし..
など、男性女性、どちらでも思い当たるフシがあるはずです。
しかし、これを読んで驚いたのは女性の能力。
男性が女性に勝っているのは体力と空間認識能力だけ(極端なハナシ)ってのも悲しいかも..
評価(5点満点):■■■■□

[2003/02/11]

アタシはバイクで旅に出る。 (笊カ庫)
国井律子・著
たぶんバイク乗りには有名なこのコ。
愛車である1200ccのハーレーで日本各地を旅する紀行もの。
各地で温泉、酒(日本酒がメイン)、食べ物を楽しむ。
文章もあるが、写真の分量が多くて気軽に読めるし、何せ、著者の 国井嬢 がカワイイのがいい。 (オイオイ)
温泉に入るときはスッピンなんだと思うが、ぜんぜん勝負できるぞ。

冗談はさておき、「バイクもアメリカンよりヨーロッパのがいい」と思ってはいたのだが、 ハーレーに対して偏見がなくなったのは確か。(ハーレー=チョッパーハンドルのイメージだった)
これを読むと、「オレもクルマで旅に出」たくなるんだよなぁ..

評価(5点満点):■■■□□

[2003/02/11]

イチローは「天才」ではない (角川oneテーマ21)
小川 勝・著
もう半年近く前に読んだものなので記憶が曖昧だけど..
2001年、米メジャーリーグで首位打者、2002年こそは首位打者のタイトルを逃したものの、 依然、世界最高レベルのアベレージ・ヒッターであり続けるイチロー。
この本では「天才打者」と云われるイチローがいかにして誕生したか、イチローの成長過程で 少なからず影響を与えた人物の話を中心に構成されている。
オリックス・ブルーウェーブ時代の「振り子打法」をなぜメジャーで止めたのか、 イチローの驚異的な動態視力、年々発達していく筋力など、単に「天才」という言葉で片付けられない イチローの努力、才能が窺える。
評価(5点満点):■■■□□

[2003/02/11]

なつかしのTV 青春アルバム! (文春文庫)
岩佐陽一・著
こういう本は反射的に手にとってしまう。
内容は1970年代中心の日本のテレビドラマ、ヒーローもの(主に実写) などについての「ツッコミ本」である。
70年代はドラマは別としてヒーローものはかなり見ていたが、結構知らないものや 主題歌は1コーラス歌えても、内容はさっぱり忘れてしまっているものがあった。 (やっぱり再放送で見てない作品は内容まで覚えてない。)
今こうして改めて検証してみると、あの頃(70年代)のドラマやヒーローものって アバンギャルドというか何かスゴイ設定やストーリーのものが多かったと 再認識。子供の頃はそんなのぜんぜん気にしていなかったけど。

これは「読み物」というよりも個人的は「資料」です。はい。

評価(5点満点):■■■■□

[2002/10/10]

生存者、一名 (祥伝社文庫)
歌野晶午・著
最近の映画で「キャスト・アウェイ」、そのムカシだと少年心にちょっとエッチだっ た「青い珊瑚礁」、邦画でも「漂流」という北大路欣也主演の傑作があって、 漂流モノは絶対体験したくはないものの、ひじょうに興味をそそられるテーマだ。
今現在、テレビ放映されている「サバイバー」もある意味、これらを模したものだ。
そこには文明から切り離された「極限状態」があり、そこで人がどう生きるのかを 描く事が最大のテーマとなる。

この本の作家、歌野晶午氏については知らなかったが、興味深い「漂流モノ」という事で 手に取った。
前出「樹海伝説」と同じく、祥伝社\400文庫の作品だ。
意外と云っては失礼だが面白かった。
物語は新興宗教の教団員たちが、教団の為と信じて犯罪を犯し (某宗教団体を連想させるのは容易)日本海の無人島に潜伏するところから始まる。
一人一人何者かによって殺されていくのだが、次第に疑心暗鬼になっていく 人間関係の描き方、結末の持っていき方も上手い作品だった。

評価(5点満点):■■■■□

[2002/10/10]

樹海伝説 (祥伝社文庫)
折原一・著
祥伝社から発刊されていた「\400文庫」のひとつ。
このシリーズはページ数で160ページないので、1日、数時間あれば 読み終えちゃう手軽さが良い。
折原一は「沈黙の教室」など長めのものを数冊読んだことがあるが、 長いにもかかわらず、引き込まれていく文章力、ストーリー構成が魅力。
今回は氏にしては短いほうの作品で、なおかつ、大学生が主人公という ちょっと「ジュナイブル」的な印象。
氏の作品では「おーコイツが犯人だったか」とか「こういう終わり方か」とか 意外な展開なのだが、この作品は結末も何となく予測できてしまう (しかし、途中までは騙される)ので今ひとつ。氏の作品はやはり長編が良い。
評価(5点満点):■■■□□

[2002/10/10]

三流 (幻冬舎文庫)
長嶋 一茂・著
今はプロ野球選手を引退し、タレント活動などをしている長嶋一茂氏のバイオオロジーだ。
氏の引退直後、ハードカバーで発売されていてその頃から興味があったが、今回、 文庫化されているのを発見し、読んでみた。

内容としては、長嶋茂雄というあまりに偉大な父親を持った一茂氏が、父の後を追って、 プロ野球となり、引退していくまでを綴ったものだ。

意外と云っては失礼だが、一茂氏はあまり努力をしなかった方の選手だと思っていた。 実際は、プロ野球選手で努力を怠っている人など居ないと思うが..
また、学生時代から右肘に怪我を持っていたこと、引退の主な理由も、戦力外通告もあるが、 その右肘の古傷と、精神的に追い詰められた事による自律神経系の病気などが原因であったようだ。

しかし、いわゆるひとつのスーパースターを父に持つ家庭というのは大変なものである。

評価(5点満点):■■■□□

[2002/06/22]

to the Liberty (電撃文庫)
木村 睡蓮・著
こちらは「バイオハザード小説大賞」の大賞作品。
こちらは一転して、アクションモノ。 舞台は豪華客船の上。
主人公のアメリカの連邦保安官が、天才的なハッカー/金庫破りの才能を持つ犯人を イギリスからアメリカに護送していた。その客船には巨大製薬会社"アンブレラ"の 開発したウイルスも積み込まれていた。それをある人物が自らに投薬してしまい..

"バイオ"の定番どおり、アンブレラ、マッドサイエンティスト、男女のヒーロー/ヒロイン、 不幸な生い立ちを持つ子供、強力なモンスターらが登場する。
こちらは重火器もふんだんに登場し、一大アクション巨編となっている。
感触的には「バイオ2」あたりの影響が感じられる。ただし、ラストは"DINO CRISIS2"?

評価(5点満点):■■■□□

[2002/06/22]

ローズ・ブランク (電撃文庫)
愛沢 匡・著
この作品は「バイオハザード小説大賞」の佳作作品。
やはり"バイオファン"を自認する私としては読んでおかねばならない..
物語の舞台は、ラクーン市(バイオハザード1から3までの舞台)郊外にある研究施設。
そこでヴァーチャル・リアリティ(V.R)の研究をしている女主人公、その他、研究所で働く 人物たちが、何者かの手によって引き起こされた「バイオハザード」(生物的災害)に 巻き込まれる、というもの。

主人公の女性がV.Rの研究者だけあってV.Rの描写が多く、状況が想像し辛い。
特に研究所を制御している人工知能コンピュータがハッキングされて暴走(このあたりは "2001年"のHALとおんなじ?)、それをV.Rの世界からアクセスして修復するあたりなどはワケが解らない。 また敵役の女性キャラとV.Rでやりあう描写があるのだが、その辺りもやはりワケが解らない。 いきなりオープニングからV.Rの描写なのでガックリきたのも事実。 少し話が違うが「マトリックス」や「JM」などのV.Rモノも、たとえ映画の中であっても、 「現実にやってない」というのもあって、個人的にはどッチラケである。

また「バイオハザード」に至る犯人(?)の手段も強引(なぜ"牛"か?)。 プロの作家ではないというのもあるのかもしれないが、ちょっと好みの作品ではなかった。

評価(5点満点):■□□□□

[2002/06/22]

戦争案内 (平凡社ライブラリー)
戸井昌造・著
イラストレーターの戸井正造氏が、氏の体験を綴ったエッセイだ。
太平洋戦争の学徒動員で兵隊として召集され、内務班での訓練を経て、下士官として外地(満州)に赴任、 そして敗戦後、引き揚げまでを語っている。

戸井氏は大正末期に生まれ、戦争中は20歳くらいの戦前派であるが、ひじょうにリベラルというか、 戦前の教育を受けている人にも関わらず、戦時中でも柔軟な発想をされていた人のようだ。
当時の若者は皆、戦争に行けないのは恥、と考えていたと思っていたのだが、氏は戦争を拒否し (実際には徴兵されてしまったが)、酷いイジメが当り前であった内務班でも、後輩にイジメをしなかったなど。

また、実際はお年を召されているとは思うのだが、説教臭さや、「俺たちの時代は、こんなに苦労したんだぞ!」 といったような押し付けがましさが、まったくない。
語り口も面白くサラっとしていて、とても読み易かった。

戦時中の旧日本軍の理不尽な軍規や精神論については、調べていくうちに呆れるものばかりだが、 戦時中の大変な時にもこのようなリベラルな考え方の人が居た、というのは救いだったような気がする。

評価(5点満点):■■■■□

[2002/06/22]

特殊部隊とは何か (青春出版社)
柿本秀久・著
2001年の9月11日の米国同時多発テロから、2001年末の米英特殊部隊によるアルカイダ掃討で 世界的に注目された「特殊部隊」。この本は、世界各国の様々な特殊部隊に焦点を当て、 元特殊部隊(傭兵?)の経験のある筆者が、各特殊部隊の特色、実態について解説を加えている。

米国にはグリーンベレー、レンジャー、SEAL、デルタ・フォースなど陸海空、海兵隊各軍に 特殊部隊があり、それぞれの成り立ち、得意分野(?)などについて知ることができた。 また英国のSASは特殊部隊として最も歴史が長く、各国の特殊部隊がその養成/訓練カリキュラムを 採り入れているらしい事も判った。
「だから何?」と云われても困るのだが。

評価(5点満点):■■□□□

[2002/06/22]

真夜中のデッド・リミット (新潮文庫)
スティーヴン・ハンター・著
ひさびさの訳本。
スティーブン・ハンターは数年前、やはり新潮社の「極大射程」を読み、 そのマニアックな銃描写や、ストーリー展開にすっかりやられてしまった。
以来、ハンターの作品は何冊か読んだ。が、「極大射程」を超える名作に会わず終いだった。

「極大射程」では、主人公のスナイパー、ボブ・リー・スワガーがストーリーの中心 だったが、今回はアメリカ陸軍特殊部隊の「デルタフォース」、旧ソビエト特殊部隊の 「スペナッズ」が主役。
物語は、米ソ冷戦末期、アメリカ コロラド州にある核ミサイルサイトを、ソビエト 特殊部隊が制圧、それを阻止すべく、米陸軍はデルタ・フォースを送り込むが.. というもの。

上下2巻で、スペナッズvsデルタの戦闘以外に、様々なサブキャラの物語が同時進行 し、ストーリーに幅を持たせている。それがクライマックスに向かって収斂していくあたりのストーリー展開は流石だ。
「極大射程」ほどではないにしろ、気になる銃描写もなかなか。
しかし、サブキャラの描写も少なくないため、期間を空けて読んでしまうと、本編の 話の進行が どうだったか?という事が思い出せない。今回は1ヶ月以上、本書を全く読まない時 期があったため、少し難渋した。

また、翻訳者の方の苦労は解るが、訳文についてはどうしても気になる。
おそらく英語固有の言い回しや表現、会話などがあるので、原文に近い形で訳さねば ならないのは解るが、 日本人の感覚からすると(少なくとも私は)、どうも素直に受け取れない。
プロットが優れている作品でも、翻訳された文章が気に入らなかったり、という事で 読むのを 避けてきた作品も幾つもあり、そこが訳本のチョイスの難しいところだ。

評価(5点満点):■■■□□

[2002/03/11]

[読書感想トップへ:1つ上へ]