ひさびさの訳本。
スティーブン・ハンターは数年前、やはり新潮社の「極大射程」を読み、
そのマニアックな銃描写や、ストーリー展開にすっかりやられてしまった。
以来、ハンターの作品は何冊か読んだ。が、「極大射程」を超える名作に会わず終いだった。
「極大射程」では、主人公のスナイパー、ボブ・リー・スワガーがストーリーの中心
だったが、今回はアメリカ陸軍特殊部隊の「デルタフォース」、旧ソビエト特殊部隊の
「スペナッズ」が主役。
物語は、米ソ冷戦末期、アメリカ コロラド州にある核ミサイルサイトを、ソビエト
特殊部隊が制圧、それを阻止すべく、米陸軍はデルタ・フォースを送り込むが..
というもの。
上下2巻で、スペナッズvsデルタの戦闘以外に、様々なサブキャラの物語が同時進行
し、ストーリーに幅を持たせている。それがクライマックスに向かって収斂していくあたりのストーリー展開は流石だ。
「極大射程」ほどではないにしろ、気になる銃描写もなかなか。
しかし、サブキャラの描写も少なくないため、期間を空けて読んでしまうと、本編の
話の進行が
どうだったか?という事が思い出せない。今回は1ヶ月以上、本書を全く読まない時
期があったため、少し難渋した。
また、翻訳者の方の苦労は解るが、訳文についてはどうしても気になる。
おそらく英語固有の言い回しや表現、会話などがあるので、原文に近い形で訳さねば
ならないのは解るが、
日本人の感覚からすると(少なくとも私は)、どうも素直に受け取れない。
プロットが優れている作品でも、翻訳された文章が気に入らなかったり、という事で
読むのを
避けてきた作品も幾つもあり、そこが訳本のチョイスの難しいところだ。