幸松 Report   #17   from U.S.A.

 

Aレポート#17(最終回): Want? Should?

皆様既にご存知のことと思いますが、3月末で日本に帰任することとなりました。長いようで短い2年間でしたが、懲りずにお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
また、日本でも宜しくお願い致します。勤務地は銀座、住居は横浜の青葉区あざみ野に戻ります。

最後になりましたので、今回はWantの使い方で感じたことを書いてみます。

漠然とした感想なのですが、ShouldHave toMust等を私などは多用してしまうのですが、こちらではWantが多く使われるような気がします。国民性の違いだと思いますので、一概にどちらが良いということでは無いと思います。ただ、「自分はどうしたい」という意思が現れて、大変分かり易いと感じました。

「何々してくれる?」というお願いをする時に、Do you want to…?を使うことがあるようです。始めはどうも意図が分からず、理解に苦しみ、誤解を招いたこともありました。

ある時サッカーの試合中、キャプテンからDo you want to play goalie? と聞かれました。私はNo!と答えたのですが、両者の間に冷たい空気が漂ったのを覚えています。彼の意図は「ゴールキーパーやりたい?」では無く、「ゴールキーパーやってくれる?」だったのですね。私は「結構です。」と答えたつもりでしたが、「いやです!」と受け取られた訳です。そばでその会話を聞いていたチームメートが”No? Cool!” 「いやだって?言うねえ!」と言っていたのを聞いて、はっとしました・・・「そうか。頼まれていたのか?」

そう考えて見ると、こちらの社会でShouldHave toMust等を多用してしまうと少し居心地が悪いような気がしてきました。しかし取り越し苦労で、気のせいかもしれません・・・

こちらで仕事をしていて常日頃感じるのは、それぞれの人々の役割分担がはっきりしているということです。その人の守備範囲が明確になっていて、それを達成するかどうかで評価されていくようです(あたりまえですけれど・・・)。

良く言うと「私のやることはきっちりやります」ですし、裏返して言うと「それ以外のことは(そんなに)やらない」、「他の人には自分の領域に踏み込んできて欲しくない」ということでもあるように感じます(幸松の偏見かもしれません)。勿論、組織の上のほうに行くと視野も意識も守備範囲も広くなっていくのですが。

自分の役割をこなすと定時でさっさと帰りますし、逆に定時までにこなせないと残業もします。早出や休出、自宅での作業も厭わないようです。勿論基本は定時、ですけれど。

日本にいますと、良くも悪くもその辺の領域が曖昧で、皆の守備範囲が広いように感じます。自分の与えられた仕事だけやるのではなく、同僚や他部署の仕事であっても、なにか課題や問題点が目に入ると、ついつい口を出してしまいますし、そのことが自然に受け入れられているような気がします。システムや考え方の違いと思いますが、この点は日本のやり方が私は好きです。

会議はこちらの方が効率的かなと思います。限られた時間で目的を果たすべく、皆無駄な時間を使わないよう注意を払っています。また、会議に出席する人数もそれほど多くは無く、議論に集中ができます。大抵の会議は1時間、長くても2時間です。結論が出ないからずるずると引き延ばすのではなく、決められた時間内で結論を出すべく、皆が努力します。

最後は尻切れトンボになってしまいましたが、これまで応援頂き、本当に有難うございました。また、いつかどこかで同じようなレポートを送れたらと思っています。

それではまた日本でお会いします。ありがとうございました。皆さんのご健康と益々のご活躍をお祈りいたします。

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