幸松 Report   #7   from U.S.A.

 

LAレポート#7:中間選挙は火曜日に...

 

ところで皆さんもご存知の通り11月12日の火曜日に中間選挙が行われましたが、なんと信じられないことに火曜日に投票するのですね。毎回何故か火曜日なのだそうです。会社に出勤する前後で投票することになるのでしょうが、日本では全く考えられませんよね。やはり、一般的な傾向として投票率は必ずしも高くはない様です。

実際の選挙に合わせ、息子の小学校でも模擬投票が行われたようです。上院、下院そして知事と実際の候補者への投票を行い、何故その候補者に投票するのかも考えるようです。大変素晴らしいことと思いました。義務と同時に国民の権利でもある投票権を、小学校から現実的に教育するのですね。そうすることで政治にも興味が出てきたり、政治や社会のことを考える素地ができてくるのでしょう。何も知らない無邪気な息子は、勘違いしてアメリカでは子どもも選挙権があるものと思ったようです。父親に似てなんともそそっかしいです。しかし、残念ながら実際の投票率が必ずしも高くないのはなんとも皮肉です。日本もアメリカも大人がもっとしっかりとしなければ。

実際の選挙では大統領の共和党が勝利しました。通常中間選挙ではバランス感覚が働いて、通常政権党が敗北するものなのだそうですが、今回はご存知の通り共和党が歴史的と言われている勝利を収めました。勝因は様々なのでしょうが、概ね以下の様に分析されているようです。

l       テロに毅然として挑むブッシュ人気。

l       テロ関連の政策の陰にそれ以外の政策論争が埋没してしまった。

l       民主党が明確な対立軸となる政策をアピールできなかった。

l       経済回復に向けた早急な政策施行が求められる中、議会でのスピード議決を実現するには、大統領の共和党が議会でも多数派を構成する必要がある。

l       ブッシュ政権の選挙上手。選挙終盤になって、大統領や側近等による応援遊説がかなり激しく行われた。

いずれにせよ大統領の政策への信任が降りたとみなされています。つまり、大統領のイラクに対する強行な姿勢が支持されたということになります。米国民の独自主義が蔓延しないことと、イラクとの戦争が回避されることを強く祈っています。

前回の湾岸戦争では、ブッシュ大統領の父親が大統領でした。湾岸戦争の後では厳しい景気の後退がありました。勿論息子のブッシュ大統領もそのことは痛いほど解っているはずです。しかも米国のみならず世界全体の景気は、必ずしも好くない状態にあります。

イラクが国連の査察を真摯に受け止め、また国連を中心に各国が辛抱強く米国を牽制することで、最悪の事態に陥らないことを願っています。 米国も安易に独自主義に陥ること無く、世界から自分達がどのように見られているのか、冷静に考えて欲しいと思います。

  

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