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W杯出場決定!勝者のメンタリティを獲得せよ

(Jun.15,2005)

W杯出場決定! 勝者のメンタリティを獲得せよ

終わってみれば、あっさりと決まってしまった感じがする。もう少し苦労するのかと思っていた。
でも内心北朝鮮戦で決めてほしいと願っていたから、やっぱり決まって良かった。
W杯出場おめでとう!!
結果的にはキリンカップの惨めな2連敗を受けて、気合いを入れ直し、格の違いを見せつけた格好だ。
2連勝の勝因はいくつかある。
まず、1トップ2シャドーという形をトライしたこと。柳沢が一皮むけて、この布陣にフィットしたこと。
中田英が公式戦から遠ざかっていたにもかかわらず出色のできで存在感を示したこと。
その結果今年のベストゲームと呼べる内容でバーレーンを撃破できたこと。
そして、その勝利によって北朝鮮戦に余裕を持って臨めたこと。そんなところだろうか。
で、もう一つ勝因がある。日本のチームは暑い気象条件に強いということだ。
この2連勝は暑さを味方につけたのではないかと思っている。バーレーン戦では地元のチームよりも運動量が落ちなかった。
むしろバーレーンのコンディションが良くなさそうで、今までで一番怖くなかった。
バンコクでは、相手が時間とともに緩慢になってくるのをジーッと待って、最後にふた突き(2ゴール)で仕留めた格好だ。
ネチネチ戦える。あまり飛ばしすぎない(逆に先制パンチを食うときつい)。ノラリクラリでイライラさせながら、勝負どころで自分たちの力を発揮する。思い起こせば、アジアカップの中国の暑さもこんな風な戦い方で克服した。
誰かがアジアのイタリアだ、と書いていたけど、まさにそんな感じ。それも強さのうちだよね。
ということを考えていたら、サッカーマガジンで賀川浩さんが同じ内容の記事を書いていた。
つまり、今の日本代表は試合運びがうまく勝負強い、というのが特徴になっているようだ。
我々ファンは、スキルフルな中盤を生かした華麗で攻撃的なチームをジーコは作ってくれるだろう、と思っていた。
いわゆる「面白いサッカー」というやつ。
華麗な中盤とこちらが勝手に思っていた欧州組のタレント達に対して、ジーコが期待していたのは、問題解決力、状況打開力だったわけだ。つまり力強さ、したたかさ、勝負強さだ。
どうやら、日本は「面白いサッカー」を披露する前に身につけなければいけないことがたくさんあるんだろう。
どんなメンバーになろうと、どんなシステムでやろうと、ピッチにいる11人が試合の状況に応じて自分たちで考え、表現していく大人のチームになろうとしている。大げさに言うと「勝者のメンタリティ」だ。
もし「勝者のメンタリティ」を獲得していく途上にあるとするならば、これはかなり偉大なことなのではないだろうか。
さて、予選の戦いからそう大きな上積みがないまま、日本代表は明日からコンフェデに臨む。そして、今までのアジアのチームとは明らかにランクが上がった相手と対峙する。
ここで、世界を相手にしたときの「勝者のメンタリティ」を獲得するため思う存分もがいてほしい。
それは将来に向けて素晴らしい糧になるのではないだろうか。
来年6月のW杯本番、自分たちの力で目の前にある状況を打開していく日本代表というチームを見ることができたなら、それは日本サッカーがステップアップしたと言えるんじゃないだろうか。「面白いサッカー」はそのあとでもいいのかもしれない。

 

 

                  

 

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